STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第154問

失語症第21回
閉塞によって失語症を起こすことが最も多いのはどれか。
  1. 1.中大脳動脈 ✓
  2. 2.椎骨動脈
  3. 3.後大脳動脈
  4. 4.脳底動脈
  5. 5.前大脳動脈

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 中大脳動脈 中大脳動脈(MCA)は脳の約80%の脳血流を供給し、失語症を起こしやすい言語中枢(ブローカ野・ウェルニッケ野)を含む左半球のほぼ全域を灌流しています。そのため、脳血管障害による失語症の最大の原因は中大脳動脈の閉塞です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 中大脳動脈 ✅ 正しい。脳全体の約80%の血流を供給し、言語中枢(ブローカ野・ウェルニッケ野)を含む左前頭葉・側頭葉・頭頂葉を灌流します。脳梗塞全体の50〜55%がMCA領域であり、失語症を起こす最頻原因です。 2. 椎骨動脈 ❌ 誤り。椎骨動脈は脳幹(延髄)と小脳の一部を灌流します。閉塞しても言語中枢の障害はなく、失語症ではなく構音障害(球麻痺など)が生じます。 3. 後大脳動脈 ❌ 誤り。後大脳動脈(PCA)は側頭葉下部・後頭葉・視床を灌流します。言語中枢の主要部は灌流しないため、失語症の原因としては稀です。ただし優位半球のPCA領域梗塞で超皮質性感覚失語が報告されていますが、頻度は低いです。 4. 脳底動脈 ❌ 誤り。脳底動脈は脳幹(橋・中脳)と小脳を灌流します。言語中枢を含まないため、失語症の直接的原因にはなりません。 5. 前大脳動脈 ❌ 誤り。前大脳動脈(ACA)は前頭葉内側面を灌流します。言語中枢の主要部分を供給していないため、失語症の原因としては中大脳動脈より圧倒的に稀です。 --- 【試験対策ポイント】 脳血流供給の基本知識: | 動脈 | 灌流領域 | 失語症との関連 | |---|---|---| | 中大脳動脈(MCA) | 前頭葉・側頭葉・頭頂葉(左半球) | 最頻原因(50-55%) | | 前大脳動脈(ACA) | 前頭葉内側面 | 稀(補足運動野障害) | | 後大脳動脈(PCA) | 側頭葉下部・後頭葉 | 稀(超皮質性感覚失語) | | 椎骨動脈 | 脳幹・小脳 | なし(構音障害) | | 脳底動脈 | 脳幹・小脳 | なし | キーワード: - ブローカ野(左下前頭葉)→ MCA灌流 - ウェルニッケ野(左上側頭葉)→ MCA灌流 - 脳梗塞全体の80%程度が前循環系(MCA含む) - 「左半球優位」「言語中枢」が選択肢判定のカギ
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