第21回 言語聴覚士国家試験 第156問
失語症第21回
書字障害についてで誤っているのはどれか。
- 1.過剰書字は右半球損傷で出現する。
- 2.左角回の損傷では漢字優位の書字障害が出現する。 ✓
- 3.失行性失書は他の失行とは独立して出現する。。
- 4.前頭葉性失書では文字の選択・配列の障害が出現する。
- 5.脳梁損傷によって左一側の書字障害が出現する。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 左角回の損傷では漢字優位の書字障害が出現する。
左角回の損傷では、むしろ仮名優位(特に音韻的な処理に依存する仮名が障害される傾向)の書字障害が出現します。右角回の損傷の場合、漢字が優位に障害される可能性があります。選択肢は左右の損傷部位と障害パターンを逆に述べているため誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 過剰書字は右半球損傷で出現する。
✅ 正しい。過剰書字(不要な文字や線の追加)は右半球損傷で出現する特徴的な書字障害です。左半球損傷は文字の省略傾向を示します。
2. 左角回の損傷では漢字優位の書字障害が出現する。
❌ 誤り。左角回は音韻的処理に関わるため、損傷では仮名(特にひらがな)が優位に障害されます。漢字優位障害は右角回損傷で見られる可能性があります。
3. 失行性失書は他の失行とは独立して出現する。
✅ 正しい。失行性失書は、上肢運動失行や観念失行などの他の失行症状がなく、書字動作のみが障害される特異的な失行形態です。
4. 前頭葉性失書では文字の選択・配列の障害が出現する。
✅ 正しい。前頭葉性失書(前頭葉背外側面損傷)では、文字選択の困難、配列の乱れ、段落設定の混乱などが特徴的に出現します。
5. 脳梁損傷によって左一側の書字障害が出現する。
✅ 正しい。脳梁(特に膝部損傷)では、右半球から左半球への情報伝達が遮断され、左手での書字障害が選択的に出現します。
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【試験対策ポイント】
書字障害の分類と特徴
| 障害タイプ | 責任病巣 | 特徴 |
|---|---|---|
| 失語性失書 | 左半球言語野 | 失語症に伴う。音韻/意味的障害 |
| 失行性失書 | 左頭頂葉皮質 | 他の失行なし。書字動作のみ障害 |
| 前頭葉性失書 | 左前頭葉背外側面 | 文字選択・配列・段落設定の障害 |
| 注意障害による失書 | 右半球 | 過剰書字・片側消去現象 |
角回損傷による書字障害の特異性
- 左角回損傷→仮名(特にひらがな)優位障害
- 右角回損傷→漢字優位障害の可能性
脳梁損傷パターン
- 膝部損傷:左手書字選択的障害
- 後部損傷:左視野の情報処理障害