第21回 言語聴覚士国家試験 第157問
失語症第21回
純粋失読でみられないのはどれか。
- 1.逐字読み
- 2.類音性錯読 ✓
- 3.運動覚促通
- 4.右同名性半盲
- 5.語長効果
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 類音性錯読
純粋失読とは「読みの障害」のみで、話す・聞く・書くは保持される症候群です。後部大脳回の角回や縁上回の損傷で生じ、音韻処理経路が障害されます。類音性錯読(音が似た言葉を読み誤る:「京都」を「きょうと」と音読してから意味を検索する過程での誤り)は純粋失読では見られません。これは語義失読など他の読み障害で特徴的です。
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【各選択肢の解説】
1. 逐字読み
✅ 見られます。純粋失読患者は、単語全体を一度に認識できず、文字を1字ずつ音読して意味を理解しようとします。これは純粋失読の典型的な特徴です。
2. 類音性錯読
❌ 見られません。類音性錯読は「京都」を「きょうと」と正しく音読してから意味検索で誤る現象で、語義失読や深層失読で特徴的です。純粋失読では音韻処理自体は比較的保持されているため、この錯読様式は典型的ではありません。
3. 運動覚促通
✅ 見られます。指でなぞる・声に出す・リップリーディングなど運動感覚を加えることで読みが改善する現象は、純粋失読でしばしば観察される代償戦略です。
4. 右同名性半盲
✅ 見られます。角回・縁上回の病変は後頭葉まで波及することが多く、その際に右同名性半盲が合併することがあります。これは解剖学的位置関係による必然的な所見です。
5. 語長効果
✅ 見られます。純粋失読患者は短い単語ほど読みやすく、長い単語ほど読みにくくなります。逐字読みのため、文字数が多いほど処理時間と誤り率が増加します。
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【試験対策ポイント】
読み障害の分類と特徴
| 障害の種類 | 主な特徴 | 出現する錯読 |
|---|---|---|
| 純粋失読 | 読みのみ障害・逐字読み・語長効果あり | 類音性×、深層読み× |
| 語義失読 | 音読○・意味理解× | 類音性錯読○(「京都」→「きょうと」は正しいが意味不明) |
| 深層失読 | 語義はわかるが音読困難・意味性錯読 | 意味性錯読○(「馬」→「ウマ」ではなく「乗馬」と言う) |
純粋失読の診断基準
- 読みの著しい障害
- 話す・聞く・書く=ほぼ正常
- 逐字読みの存在
- 語長効果あり
- 運動覚促通で改善可能
紛らわしい項目の区別
- 「運動覚促通」:純粋失読では改善に寄与する代償方法
- 「右同名性半盲」:後頭葉波及時に合併することもあり、純粋失読を説明しうる付随症状
- 「語長効果」:文字数増加で難度上昇=逐字読みの証拠
- 「類音性錯読」:語義失読の特徴。純粋失読ではこのタイプの誤りは典型的でない