STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第158問

失語症第21回
聴覚的理解力をみる検査でないのはどれか。
  1. 1.トークンテスト
  2. 2.失語症語彙検査
  3. 3.重度失語症検査
  4. 4.SALA失語症検査
  5. 5.モーラ分解・抽出検査 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — モーラ分解・抽出検査 モーラ分解・抽出検査は、音韻操作能力を測定する検査であり、聴覚的理解力ではなく「言語の音韻体系に対する認識」を評価します。一方、1~4番の検査はすべて聴覚的理解力(聞いた言葉を理解する能力)を直接的に測定する検査です。 --- 【各選択肢の解説】 1. トークンテスト ✅ 聴覚的理解力の検査。被験者は「赤い大きな円を取ってください」など段階的に複雑化する指示を聞いて理解し、実行する能力を測定します。文法構造の理解度を細かく評価できるため、失語症の軽症例や軽度認知機能低下の検出に有用です。 2. 失語症語彙検査 ✅ 聴覚的理解力の検査。聞いた単語に対応する図を選ぶ課題が含まれており、名詞から動詞・形容詞まで幅広い品詞の語彙理解を評価します。失語症の種類による語彙理解の違いを把握できます。 3. 重度失語症検査 ✅ 聴覚的理解力の検査。全失語など重度の失語症患者を対象とし、身振りや単語への応答など比較的簡潔な聴覚理解課題を含みます。重度患者の残存能力を評価するために設計されています。 4. SALA失語症検査 ✅ 聴覚的理解力の検査。標準化された検査で、聴覚的理解の項目が含まれており、失語症のスクリーニングと詳細評価の両方に使用されます。復唱や命名など複数の言語機能も評価しますが、聴覚理解も重要な検査項目です。 5. モーラ分解・抽出検査 ❌ 聴覚的理解力の検査ではありません。「かき」を聞いて、頭のモーラ「か」と末尾のモーラ「き」を取り出す、というように音韻操作能力(音の分析・操作能力)を測定する検査です。理解力というより、音韻体系への認識能力を評価します。 --- 【試験対策ポイント】 | 聴覚的理解を評価する検査 | 特徴 | |---|---| | トークンテスト | 文法的複雑性を段階的に評価。軽症例に有用 | | 失語症語彙検査 | 品詞別の語彙理解を測定 | | 重度失語症検査 | 全失語など重度患者の残存能力を評価 | | SALA失語症検査 | 総合的な失語症検査の一部として聴覚理解を評価 | | モーラ分解・抽出検査 | 評価内容 | |---|---| | **目的** | 聴覚的理解力ではなく「音韻操作能力」 | | **対象患者** | 音韻障害や軽度の言語障害患者 | | **課題例** | 「かき」→頭は「か」、末尾は「き」 | | **能力** | 言語の音の分析・認識レベル | キーポイント:「聴覚的理解力」=「聞いた言葉の意味を理解する能力」。モーラ分解は「聞こえた音を分析・操作する」メタ言語的能力であり、理解力の評価ではない。
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