第21回 言語聴覚士国家試験 第17問
臨床歯科医学/口腔外科学第21回
義歯について正しいのはどれか。
- 1.適合が悪いと口腔癌の原因になる ✓
- 2.食後は歯磨きをしてから外す
- 3.熱湯消毒をする
- 4.乾燥させて保存する
- 5.カンジダ菌は付着しない
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 適合が悪いと口腔癌の原因になる
義歯の適合不良は、長期間にわたる機械的刺激と慢性炎症を引き起こし、口腔粘膜の細胞変性を促進する可能性があります。不適合な義歯による慢性的な圧迫・擦過が組織を損傷し、潜在的に悪性化のリスク因子となり得るとされています。
---
【各選択肢の解説】
1. 適合が悪いと口腔癌の原因になる
✅ 正しい。不適合な義歯による機械的刺激と慢性炎症は、口腔粘膜の組織変化を引き起こし、長期間にわたる刺激は悪性腫瘍の発生リスクを高める可能性があります。これは口腔癌の代表的なリスク因子として認識されています。
2. 食後は歯磨きをしてから外す
❌ 誤り。正しい義歯管理は「食後は義歯を外す→義歯と口腔を清掃」が順序です。わざわざ義歯を装着した状態で歯磨きする必要はなく、むしろ義歯を外した後に流水下で義歯ブラシで清掃し、同時に残存歯・粘膜もケアします。
3. 熱湯消毒をする
❌ 誤り。義歯は主にレジンで製造されており、熱湯(80℃以上)による消毒は変形・変色・劣化を招きます。適切な清掃は流水での機械的洗浄と、義歯洗浄剤(超音波洗浄機や薬液浸漬)が推奨されます。
4. 乾燥させて保存する
❌ 誤り。義歯は乾燥させると変形・割れ・ひびが生じやすくなります。正しい保存方法は「水に浸す」です。義歯洗浄剤を溶かした水や清潔な水に浸しておくことで、レジンの形態を維持します。
5. カンジダ菌は付着しない
❌ 誤り。義歯はカンジダ菌の付着・増殖しやすい環境です。特に適合不良で粘膜との間に隙間がある場合、温度・湿度・栄養条件が揃い、カンジダ性口内炎(義歯性口内炎)の原因になります。定期的な清掃が重要です。
---
【試験対策ポイント】
| 項目 | 正しい管理方法 | 誤った方法 |
|---|---|---|
| 消毒法 | 薬液浸漬・超音波洗浄 | 熱湯消毒(変形の危険) |
| 保存方法 | 水に浸す | 乾燥保存(ひび割れ) |
| 清掃タイミング | 食後に外して清掃 | 装着中に洗浄する |
| 洗浄道具 | 義歯ブラシ | 硬いブラシ(傷つく) |
義歯関連の代表的なリスク:
・適合不良→機械的刺激→慢性炎症→口腔癌化リスク
・衛生不良→カンジダ菌増殖→義歯性口内炎
・不適切な保存→レジン変形→さらに適合悪化の悪循環