第21回 言語聴覚士国家試験 第163問
高次脳機能障害第21回
高次脳機能障害のリハビリテーションについて誤っている組み合わせはどれか。
- 1.聴覚性失認 ― 読話訓練
- 2.記憶障害 ― 間隔伸張法
- 3.半側空間無視 ― プリズム順応
- 4.遂行機能障害 ― 問題解決訓練
- 5.観念性失行 ― パントマイム産生訓練 ✓
正答:5番
解説
# 第21回 第163問 解説
■ 正答:5番 — 観念性失行 ― パントマイム産生訓練
観念性失行は道具の使用や一連の動作の概念が障害される症状であり、実物の道具を用いた動作訓練が基本となります。パントマイム産生訓練(道具なしで使用動作を演じる訓練)は、観念性失行ではむしろ困難となるため、治療法として不適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 聴覚性失認 ― 読話訓練
✅ 正しい。聴覚性失認は聴覚情報の認知が困難な状態であり、視覚的代償手段として話者の口唇の動きを読み取る読話訓練が有効です。
2. 記憶障害 ― 間隔伸張法
✅ 正しい。間隔伸張法(spaced retrieval)は、想起できた情報を徐々に長い間隔で再想起させる手法で、記憶障害に対する代表的なリハビリテーション法です。
3. 半側空間無視 ― プリズム順応
✅ 正しい。プリズム眼鏡で視野を健側にずらした状態で課題を行い、外した後に無視側への注意が改善する効果があり、半側空間無視に対するエビデンスのある訓練法です。
4. 遂行機能障害 ― 問題解決訓練
✅ 正しい。遂行機能障害には、目標設定・計画立案・実行・検証の段階的プロセスを訓練する問題解決訓練が標準的に用いられます。
5. 観念性失行 ― パントマイム産生訓練
❌ 誤り。観念性失行は道具使用の概念や系列動作が障害されるため、実物の道具を使った訓練が有効です。パントマイム産生(道具なしでの動作再現)はむしろ困難であり、訓練法として不適切です。
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【試験対策ポイント】
**失行のタイプと訓練法の対応**
| 失行のタイプ | 障害内容 | 有効な訓練 |
|---|---|---|
| **観念性失行** | 道具使用や系列動作の障害 | **実物道具を用いた訓練** |
| **観念運動失行** | 命令やパントマイムでの動作再現困難 | 模倣訓練・段階的キューイング |
| 肢節運動失行 | 運動の巧緻性低下 | 反復運動訓練 |
**重要なポイント**
- 観念性失行に**パントマイム訓練は不適切**(実物使用が原則)
- 半側空間無視には**プリズム順応・視覚走査訓練**
- 記憶障害には**間隔伸張法・誤りなし学習**
- 聴覚性失認には**読話・筆談**などの視覚的代償
- 遂行機能障害には**問題解決訓練・自己教示法**
「失行 × 訓練法」「無視 × プリズム」「記憶 × 間隔伸張法」はセットで覚えておくと得点しやすい頻出組み合わせです。