第21回 言語聴覚士国家試験 第166問
小児科学第21回
ダウン症候群について正しいのはどれか。
- 1.発生頻度は出生10,000人に約1人である。
- 2.母体年齢が高齢であると発生率が低い。
- 3.伴性遺伝である。
- 4.知的障害は重度である。
- 5.心奇形の合併率が高い。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 心奇形の合併率が高い
ダウン症候群(21トリソミー)は心臓の奇形を伴いやすく、特に心内膜床欠損症・心室中隔欠損・動脈管開存などが合併することが多く臨床的に重要です。その他の選択肢は具体的なダウン症の特徴と矛盾しています。
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【各選択肢の解説】
1. 発生頻度は出生10,000人に約1人である。
❌ 誤り。ダウン症候群の発生頻度は出生700〜800人に約1人です。選択肢は実際の頻度より低く見積もっています。
2. 母体年齢が高齢であると発生率が低い。
❌ 誤り。母体年齢が高いほど発生率が高くなります(逆相関)。特に35歳以上で急速に増加し、45歳以上では1/30程度となります。「高齢であると低い」は完全に反対です。
3. 伴性遺伝である。
❌ 誤り。ダウン症候群は常染色体(21番)の異常であり、伴性遺伝ではありません。X染色体やY染色体には関連がありません。
4. 知的障害は重度である。
❌ 誤り。ダウン症候群の知的障害は一般に「中等度」です。重度ではなく、また個人差があります。IQは通常30〜70の範囲が多く、教育訓練により生活能力の向上も期待できます。
5. 心奇形の合併率が高い。
✅ 正しい。ダウン症候群患者の50%以上が心奇形を伴います。心内膜床欠損症(これはダウン症に最も特異的)、心室中隔欠損、動脈管開存などが典型的です。これは新生児期の早期診断・治療の対象になります。
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【試験対策ポイント】
ダウン症候群の重要特性
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 遺伝学 | 常染色体21番のトリソミー | 伴性遺伝ではない |
| 発生頻度 | 出生700〜800人に1人 | 1万人に1人は誤り |
| 母体年齢の影響 | 高齢で発生率「高上昇」 | 年齢が高いほど増加 |
| 知的障害 | 中等度(IQ30〜70) | 重度ではない |
| 心奇形合併 | 50%以上 | 最重要な臨床合併症 |
| 特異的な顔貌 | 眼裂斜下・鼻根部低い・舌突出 | 巨舌(小舌症ではない) |
| 身体的特徴 | 筋緊張低下・手のひら一手線 | 発達遅延の指標 |
キーワード:トリソミー21・母体年齢高いほど高リスク・心内膜床欠損症・中等度知的障害