STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第167問

言語発達学第21回
会話の発達について正しいのはどれか。 a.1歳後半ころから言葉で要求を伝えるようになる。 b.2歳ころから現前事象について簡単な会話が出来るようになる。 c.3歳ころから名前や性別を聞かれると答えられるようになる。 d.4歳ころから利き手に合わせて話す内容を答えられるようになる。 e.5歳ころから非現前事象について報告できるようになる。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b,c 会話発達は段階的に進み、初期は要求や現前事象(目の前にあるもの)中心から、徐々に過去・未来の非現前事象へと広がります。設問のa,b,cはすべて該当する発達段階を正確に述べており、d,eは発達段階の記述に誤りがあります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 1歳後半ころから言葉で要求を伝えるようになる。 ✅ 正しい。1歳後半は初語を獲得し、「ママ」「ワンワン」などの語彙が増え始める時期です。この段階で子どもは指差しや音声で物や人を指示し、要求を伝え始めます。原始的ですが明確な意図的コミュニケーションの開始時期です。 b. 2歳ころから現前事象について簡単な会話ができるようになる。 ✅ 正しい。2歳は語彙爆発期(50語→250語以上)であり、「2語文」(「ママ、いた」「ワンワン、いた」)が出現します。目の前にある事象(現前事象)について簡単な応答会話が可能になります。 c. 3歳ころから名前や性別を聞かれると答えられるようになる。 ✅ 正しい。3歳は自己認識が発達し、「あなたの名前は?」「男の子ですか」といった質問に答えられるようになります。この時期から他者視点を含む社会的コミュニケーションスキルが発達します。 d. 4歳ころから利き手に合わせて話す内容を答えられるようになる。 ❌ 誤り。「利き手に合わせて話す内容を答える」という表現は言語発達の記述として不適切です。4歳は利き手の発達と言語発達は無関係な領域です。4歳の言語発達の焦点は複文の獲得や複雑な物語理解であり、利き手とは関連がありません。 e. 5歳ころから非現前事象について報告できるようになる。 ❌ 誤り。非現前事象(過去・未来・空想)について報告できるようになるのは、より早い段階から段階的に進みます。3~4歳で簡単な過去回想や未来予測が可能になり、5歳ではより高度な物語生成や仮定法を用いた表現が出現します。「5歳ころから」という時期指定が遅すぎます。 --- 【試験対策ポイント】 | 時期 | 主な会話・コミュニケーション発達 | |---|---| | 1歳後半 | 初語出現→指差し・音声による要求開始。初語から200日で語彙50語 | | 2歳 | 語彙爆発(50→250語以上)。2語文出現。現前事象について簡単な応答会話可能 | | 2.5~3歳 | 自己紹介(名前・年齢)。3語文以上。他者視点の芽生え | | 3~4歳 | 簡単な物語理解。過去回想・未来予測開始(非現前事象の初期段階) | | 4~5歳 | 複文獲得。複雑な理由説明。仮定法の発現 | | 5~6歳 | 高度な物語生成。複雑な非現前事象の報告・説明 | 重要な否定知識: ・「5歳ころから非現前事象」はむしろ3~4歳から段階的に始まる ・「利き手と言語」は全く無関係な発達領域 ・会話発達は「現前事象(ここ・いま)→非現前事象(過去・未来・仮想)」へと進展
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