STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第174問

呼吸系第21回
最長発声持続時間に関わる呼吸機能の指標はどれか。 a.1秒量 b.1秒率 c.1回換気量 d.最大吸気量 e.予備呼気量 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.最大吸気量、e.予備呼気量 最長発声持続時間(MPT)は発声に利用可能な呼気量に直結するため、肺活量の構成要素である最大吸気量と予備呼気量が関わります。一方、1秒量・1秒率は肺機能検査の閉塞性障害の指標であり、MPTの決定因子ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. 1秒量 ❌ 誤り。1秒量(FEV1)は1秒間に呼出できる空気量を示す閉塞性障害の指標です。MPTは総呼気量の多少であり、「1秒間」という時間制限は無関係です。 b. 1秒率 ❌ 誤り。1秒率(FEV1/FVC%)は気流閉塞の程度を評価する値で、肺気腫やCOPDの診断に用いられます。発声に利用可能な呼気量の総量にはまったく寄与しません。 c. 1回換気量 ❌ 誤り。1回換気量は安静時呼吸1回あたりの換気量(約500mL)で、通常呼吸を示します。最長発声はこれより深く吸って呼気するため、直接的な決定因子ではありません。 d. 最大吸気量 ✅ 正しい。最大吸気量とは残気量(RV)から総肺容量(TLC)までの吸気量であり、肺活量の一部です。吸気量が多いほど発声に利用できる呼気量が増加するため、MPTに正相関します。 e. 予備呼気量 ✅ 正しい。予備呼気量(ERV)は機能的残気量から残気量までの呼気量です。呼気時に追加的に呼出できる空気量であり、長い発声の最後の部分に利用されるため、MPTの決定因子です。 --- 【試験対策ポイント】 肺容量区分図での関係性 | 項目 | 定義 | MPTとの関係 | |---|---|---| | TLC(総肺容量) | 最大吸気後の容量 | 基準となる最大値 | | VC(肺活量) | TLC - RV | MPTに直結する総容量 | | **最大吸気量** | RV → TLC の吸気量 | ✅ 吸気量増加でMPT増加 | | **予備呼気量** | FRC → RV の呼気量 | ✅ 呼気予備増加でMPT増加 | | 1秒量 | 努力呼出最初の1秒間 | ❌ 時間制限は無関係 | | 1秒率 | FEV1/FVC | ❌ 気流抵抗の指標に過ぎない | | 1回換気量 | 安静時呼吸1回分 | ❌ 最長発声より浅い | キーワード ・MPT決定因子「吸気量+呼気予備量」=発声に使える総呼気量 ・1秒量・1秒率「気流」の評価(閉塞性疾患診断用) ・実臨床:MPT低下の原因は「肺活量低下」「気流制限」「喉頭機能低下」の3つ
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