第21回 言語聴覚士国家試験 第183問
運動障害性構音障害第21回
運動障害性構音障害において発話速度の調整に用いられるのはどれか。
a.タッピング法
b.キーワード法
c.マスキング法
d.デブロッキング法
e.聴覚遅延フィードバック法
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
運動障害性構音障害における発話速度調整の訓練法は、タッピング法(リズム的に拍を打つことで発話をコントロール)と聴覚遅延フィードバック法(自分の発話を遅延させて聞き返すことで無意識の加速を抑制)の2つが代表的です。これらは特に加速現象のみられる運動低下性失調症構音障害(パーキンソン病など)で有効とされています。
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【各選択肢の解説】
a. タッピング法
✅ 正しい。リズミカルな拍手やメトロノームの音に合わせて発話することで、発話速度を意識的に調整し、加速現象を抑制する方法です。運動低下性失調症構音障害に特に有効です。
b. キーワード法
❌ 誤り。キーワード法は失語症(特にBroca失語)の喚語訓練で用いられ、発話速度調整とは無関係です。意味的手がかりから目標語を喚起する手法で、構音障害の訓練ではありません。
c. マスキング法
❌ 誤り。マスキング法は聴覚検査における「反対耳への音の漏聛を防ぐ」目的で用いられる検査手技であり、構音障害の訓練法ではありません。
d. デブロッキング法
❌ 誤り。デブロッキング法は失語症(特に非流暢失語)の喚語訓練で、自動言語(「あ、あ、あ」など)の反復から目標語へ促す手法です。発話速度調整には関与しません。
e. 聴覚遅延フィードバック法
✅ 正しい。自分の発話を0.1~0.3秒遅延させて聴覚的フィードバックすることで、加速現象や不規則な速度変動を抑制します。特に失調性構音障害や運動低下性構音障害に有効です。
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【試験対策ポイント】
構音障害訓練法の分類表:
| 訓練法 | 対象障害 | 目的・機序 |
|---|---|---|
| タッピング法 | 加速現象(運動低下性) | 外的リズム手がかりで発話速度制御 |
| 聴覚遅延FB法 | 加速・不規則速度(失調性・運動低下性) | 遅延聴覚入力で無意識加速を抑制 |
| キーワード法 | 失語症(Broca失語) | 喚語訓練の手がかり提供 |
| デブロッキング法 | 失語症(非流暢失語) | 自動言語から目標語への橋渡し |
| マスキング法 | 聴覚検査 | 反対耳への漏聛防止 |
頻出の誤解:
- キーワード法・デブロッキング法は「失語症」の訓練であり、構音障害の訓練ではない
- マスキング法は「検査手技」であり、訓練法ではない
- 発話速度調整の2大訓練法は「タッピング+聴覚遅延FB」で確実に覚える