第21回 言語聴覚士国家試験 第189問
耳鼻咽喉科学第21回
滲出性中耳炎の病態と関連しないのはどれか。
- 1.口蓋裂
- 2.ダウン症候群
- 3.CHARGE症候群
- 4.ペンドレッド症候群 ✓
- 5.ピエール・ロバン症候群
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ペンドレッド症候群
ペンドレッド症候群は甲状腺ホルモン合成異常に伴う先天性甲状腺機能低下症であり、滲出性中耳炎の主な病因(耳管機能障害)とは関連しない。他の4つの選択肢はいずれも耳管周囲の解剖学的異常や神経筋異常により滲出性中耳炎を続発する。
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【各選択肢の解説】
1. 口蓋裂
✅ 正しい。小児の滲出性中耳炎の代表的な原因。口蓋裂では腱様筋(耳管張筋)の付着異常があり、耳管開放機能が低下する。小児口蓋裂症例の50~80%に滲出性中耳炎が合併する。
2. ダウン症候群
✅ 正しい。21トリソミーに伴い、耳管周囲の筋肉発達不全・耳管形態異常が生じ、滲出性中耳炎の高いリスク因子となる。知的障害と並ぶ重要な合併症の一つ。
3. CHARGE症候群
✅ 正しい。CHD7遺伝子異常により、耳・心臓・眼・口唇口蓋裂・生殖器・耳管周囲構造の異常を示す。耳管機能障害により滲出性中耳炎を高率に合併する。
4. ペンドレッド症候群
❌ 誤り。SLC26A4遺伝子変異による甲状腺ホルモン合成障害で、先天性甲状腺機能低下症と感音難聴(前庭水管拡大症)の組み合わせが特徴。甲状腺機能の問題であり、耳管機能障害とは無関係のため、滲出性中耳炎の直接的な病因にはならない。
5. ピエール・ロバン症候群
✅ 正しい。下顎骨小下症により舌が後退し、咽頭腔が狭窄することで耳管周囲筋の機能障害が生じ、滲出性中耳炎を合併しやすい。呼吸困難も主徴。
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【試験対策ポイント】
滲出性中耳炎の病因:解剖学的異常 vs 内分泌疾患の区別
| 疾患・病態 | 原因 | 滲出性中耳炎関連 |
|---|---|---|
| 口蓋裂 | 腱様筋付着異常→耳管機能低下 | ✅ 関連性強 |
| ダウン症 | 耳管周囲筋発達不全 | ✅ 関連性強 |
| CHARGE症 | 耳管・咽頭構造異常 | ✅ 関連性強 |
| ピエール・ロバン症 | 舌後退→咽頭空間狭窄 | ✅ 関連性強 |
| **ペンドレッド症** | **甲状腺ホルモン合成異常** | **❌ 関連なし** |
重要な否定知識:
• ペンドレッド症候群の特徴は「前庭水管拡大症に伴う感音難聴」であり、滲出性中耳炎(伝音難聴)ではない
• 内分泌疾患は耳管機能に直接作用しない
• 耳管張筋(腱様筋)の機能障害が滲出性中耳炎の中心病態