第21回 言語聴覚士国家試験 第190問
小児聴覚障害第21回
学童期の聴覚障害児で聴覚活用の指標となるのはどれか。
a.構音の自己修正
b.音声応答の速さ
c.声の大きさの調整
d.計算力
e.書写の速さ
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b,c
学童期の聴覚障害児において、聴覚活用の指標とは「聴覚を使ってどれだけ効果的に音声情報を処理し、コミュニケーションに反映させているか」を評価するものです。a(構音の自己修正)b(音声応答の速さ)c(声の大きさの調整)は全て、聴覚フィードバックを利用した音響制御と実時間での聴覚認知能力を示す指標であり、聴覚が機能しているかを直接反映します。一方、dの計算力とeの書写の速さは、聴覚とは直接関係のない認知・学習能力であり、聴覚活用の指標ではありません。
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【各選択肢の解説】
a. 構音の自己修正
❌ 正しい。自分が発話した音を聴覚フィードバックで察知し、誤った構音に気付いて修正する行為は、聴覚活用の最も端的な指標です。聴覚に頼って言語音を監視する能力を示しています。
b. 音声応答の速さ
✅ 正しい。他者の音声刺激を聴いて、反応時間が短いということは、聴覚系で情報を受け取り、それを迅速に中枢で処理できている証です。遅延が大きいと、聴覚入力の効率が悪い可能性があります。
c. 声の大きさの調整
✅ 正しい。環境音や相手の音声レベルに応じて自分の発声レベルを無意識に調整する行為は、聴覚フィードバックメカニズムの良好な機能を示しており、聴覚活用の指標となります。
d. 計算力
❌ 誤り。計算は認知・学習領域であり、聴覚機能そのものや聴覚活用とは直結しません。聴覚障害児でも聴覚活用が低くても計算能力は正常な場合があります。
e. 書写の速さ
❌ 誤り。書字速度は視覚処理と手指の巧緻性に依存し、聴覚とは無関係です。聴覚活用の指標ではありません。
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【試験対策ポイント】
聴覚活用の指標 3つの柱:
| 指標の種類 | 何を評価しているか | 例 |
|---|---|---|
| 音響的フィードバック | 自分の音を聴いて制御 | 構音の自己修正、声の大きさ調整 |
| 聴覚入力の処理速度 | 音を聴いて反応するまでの速度 | 音声応答の速さ |
| 非聴覚的能力 | 聴覚と無関係の認知・学習 | 計算力、書写速度 |
聴覚活用vs.非聴覚的能力の区別:
- 「聴覚を使ってやる行為」→聴覚活用の指標
- 「聴覚がなくても可能な行為」→聴覚活用の指標ではない
重要な否定知識:
- 学習成績全般(計算、読み書き)は、聴覚の有無より「言語発達の質」に左右される
- 聴覚活用は「聴力の大きさ」ではなく「聴覚情報をどう生かしているか」で判断