第21回 言語聴覚士国家試験 第191問
聴力検査第21回
聴性定常反応(ASSR)検査で正しいのはどれか。
a.成人を検査できない。
b.発生部位特異性のある波形を検出する。
c.周波数別の閾値が推定できる。
d.搬送周波数と刺激周波数がある。
e.加算回数はABRと同等である。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
ASSR検査は、周波数特異的な聴性応答を検出する検査で、搬送周波数と刺激周波数の両方を使用し、周波数別の閾値推定が可能な検査です。特に小児の聴力評価で有用ですが、成人でも検査可能です。
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【各選択肢の解説】
a. 成人を検査できない。
❌ 誤り。ASSR検査は成人でも検査可能です。むしろ小児の聴力評価が困難な場合の他覚的検査として優れており、全年代で活用できます。
b. 発生部位特異性のある波形を検出する。
❌ 誤り。ASSR検査は「波形」ではなく「周波数追従応答」(Frequency Following Response)を検出します。特定の脳波成分を見る検査ではなく、刺激周波数に同期した脳電位を検出するため、ABRのような頂点潜時や振幅を持つ波形は得られません。
c. 周波数別の閾値が推定できる。
✅ 正しい。ASSR検査の最大の利点は、異なる搬送周波数(例:500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz)を用いることで、周波数別の聴力閾値を推定できることです。これにより純音聴力検査と同様の周波数特異性が得られます。
d. 搬送周波数と刺激周波数がある。
✅ 正しい。ASSR検査は搬送周波数(500~4000Hzなど、検査周波数)と刺激周波数(40Hz周辺の変調周波数)の2つの周波数を組み合わせます。搬送周波数で周波数別評価を実現し、刺激周波数で脳の応答を引き出します。
e. 加算回数はABRと同等である。
❌ 誤り。ASSR検査はABR(聴性脳幹反応)よりはるかに多い加算回数が必要とされています。ABRは通常1000~2000回程度ですが、ASSR検査は10,000回以上の加算が必要となることが多く、測定時間が長くなります。
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【試験対策ポイント】
|検査項目|ASSR|ABR|
|---|---|---|
|対象|新生児~成人|新生児~成人|
|周波数特異性|あり(500/1k/2k/4kHz)|なし|
|波形検出|周波数追従応答|V波など頂点|
|加算回数|10,000回以上|1,000~2,000回|
|測定時間|長い|短い|
|小児評価での利用|◎|◎|
キーワード:
- 搬送周波数=検査周波数(聴力レベルを評価)
- 刺激周波数=変調周波数(脳応答を引き出す40Hz周辺)
- 周波数別閾値推定=純音聴力検査との最大の相違点
- 長い測定時間=小児で注意が必要
紛らわしい点:
- ASSR「波形」説は誤り=波形ではなく応答の有無・増幅を検出
- ABRより加算回数が少ないと誤解しやすい=実際は多い