第21回 言語聴覚士国家試験 第192問
小児聴覚障害第21回
難聴幼児の養育者に対する指導内容で誤っているのはどれか。
- 1.明瞭な発話を心掛ける。
- 2.注目を誘ってから話し始める。
- 3.抑揚を抑えて話す。 ✓
- 4.正面から同じ目の高さで話す。
- 5.身振りをまじえて話す。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 抑揚を抑えて話す。
難聴幼児の養育者指導では、言語発達を促進するために「豊かな抑揚」で話しかけることが重要です。抑揚を抑えると、音声的な手がかりが減少し、幼児の音声言語発達や聴覚への動機づけが阻害されます。正答の3番が誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 明瞭な発話を心掛ける。
✅ 正しい。難聴幼児が残聴を活用して音声を捉えるには、明確で正確な発音が必須です。不明瞭な発話は聴覚入力の質を低下させます。
2. 注目を誘ってから話し始める。
✅ 正しい。難聴幼児は聴覚情報のみでは認知負荷が高いため、視覚的注意を引いてから話しかけることで、受容的理解を促進します。
3. 抑揚を抑えて話す。
❌ 誤り。むしろ「豊かな抑揚」で話しかけることが推奨されます。抑揚には感情表現や強調が含まれ、音声言語への興味関心を引き出し、聴覚刺激としての価値も高めます。抑揚を抑えると退屈感が生じ、聴覚への動機づけが低下します。
4. 正面から同じ目の高さで話す。
✅ 正しい。同じ目の高さは、幼児が養育者の口型を読唇でき、顔全体の表情も感知できる位置です。これにより聴覚と視覚の統合が促進されます。
5. 身振りをまじえて話す。
✅ 正しい。身振りや身体表現は視覚的文脈を提供し、難聴幼児の理解と表現を補助します。マルチモーダルなコミュニケーション環境を形成します。
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【試験対策ポイント】
難聴幼児への親指導の要点:
| 指導項目 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 発話明瞭度 | 明確な発音、正確な構音 | 聴覚入力の質向上 |
| 抑揚・イントネーション | 豊かで変化に富んだ音声 | 聴覚への動機づけ↑、言語興味↑ |
| 注視確保 | 話す前に視線を引く | 聴覚情報の認知負荷↓ |
| 位置・距離 | 正面同一目高さ | 読唇・表情認知・音声入力の統合 |
| 非言語手段 | 身振り・身体表現・視覚的文脈 | 理解補助、マルチモーダル環境形成 |
「抑揚を抑える」は聴覚障害児指導の「禁忌事項」として確実に押さえる。逆に「豊かな抑揚」は聴覚発達の基盤です。