STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第195問

聴力検査第21回
検査結果について誤っている組み合わせはどれか。
  1. 1.耳音響放射反応 陽性 ― 耳小骨離断 ✓
  2. 2.ロンバール現象 陽性 ― 詐 聴
  3. 3.ティンパノブラムB型 ― 癒着性中耳炎
  4. 4.JergerV型 ― 機能性難聴
  5. 5.耳小骨筋反射 陰性 ― 顔面神経麻痺

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 耳音響放射反応 陽性 — 耳小骨離断 耳音響放射(OAE)は内耳の外有毛細胞機能を反映するため、内耳が正常に機能していれば陽性を示します。耳小骨離断は中耳の伝音系の障害であり、内耳機能には影響しないため、OAE陽性と耳小骨離断は「相容れない組み合わせ」です。耳小骨離断ではOAEは陽性、気骨導差は大きく開大します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 耳音響放射反応 陽性 — 耳小骨離断 ❌ 誤り。OAEは外有毛細胞機能を示し、伝音障害の影響を受けません。耳小骨離断では気骨導差が拡大しますが、OAEは陽性を示します。この組み合わせは矛盾しています。 2. ロンバール現象 陽性 — 詐聴 ✅ 正しい。ロンバール現象とは、周囲の音が大きくなると無意識に音声を大きくする現象です。詐聴患者は自分の聴力障害を模倣しながらも、この無意識反応を抑制できないため陽性となり、詐聴検査として有用です。 3. ティンパノブラムB型 — 癒着性中耳炎 ✅ 正しい。ティンパノブラムB型(フラット型)はコンプライアンスが著しく低下した状態を示します。癒着性中耳炎では粘膜が癒着して鼓膜の可動性が低下し、B型となります。 4. Jerger V型 — 機能性難聴 ✅ 正しい。JergerV型(減衰型)は低周波数では反射が陽性、高周波数では陰性を示す特異的なパターンで、機能性難聴の特徴的所見とされています。 5. 耳小骨筋反射 陰性 — 顔面神経麻痺 ✅ 正しい。耳小骨筋反射(アブミ骨筋反射)は顔面神経の遠心路を必要とします。顔面神経麻痺では反射弧が遮断されるため陰性となります。 --- 【試験対策ポイント】 OAE(耳音響放射)と伝音障害の関係性 | 検査 | 外有毛細胞機能反映 | 伝音障害の影響 | |---|---|---| | OAE | はい | なし(陽性を示す) | | 聴性脳幹反応(ABR) | あり | あり(閾値上昇) | | ティンパノメトリー | なし | 反映する(コンプライアンス低下) | 詐聴検査の各種手法 - ロンバール現象:周囲音量に応じた無意識の音声増幅 - Stenger検査:両耳聴力の矛盾を検出 - 語音明瞭度検査:異常なVIIICV反応(通常と異なる改善曲線) 耳小骨筋反射(アブミ骨筋反射)の重要知識 - 支配神経:顔面神経(VII)の遠心路 - 遮断される条件:顔面神経麻痺・中耳液貯留・耳小骨離断 - 増強される条件:詐聴(B型コンプライアンス併存時は測定不可) ティンパノブラムのパターン | 型 | コンプライアンス | 中耳圧 | 代表疾患 | |---|---|---|---| | A型 | 正常 | 正常(0daPa) | 正常 | | Ad型 | 高い | 正常 | 耳小骨離断・OSSPL低下 | | As型 |
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