第21回 言語聴覚士国家試験 第196問
聴力検査第21回
図に示すオージオグラムから聞き間違いが予想される組み合わせはどれか。【別図あり】
- 1.「き」と「ち」 ✓
- 2.「わ」と「ば」
- 3.「あ」と「え」
- 4.「ま」と「ば」
- 5.「さ」と「な」
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 「き」と「ち」
オージオグラムの高周波数域(特に3〜4kHz帯)での聴力低下が著しい場合、高周波成分を多く含む音声が聞き取りづらくなります。「き」と「ち」は共に高周波成分が豊富な子音(キ音とチ音)であり、これらが同程度に聞き取り困難になると聞き間違いが生じやすくなります。
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【各選択肢の解説】
1. 「き」と「ち」
✅ 正しい。両音とも2〜4kHz帯(高周波領域)に主要な音響特性を持つため、その帯域の聴力低下により聞き間違いリスクが最も高い。特にオージオグラムで当該周波数帯での急激な低下が見られる場合、これらの弁別が困難になる。
2. 「わ」と「ば」
❌ 誤り。「わ」は低周波成分が中心(主に500Hz以下)、「ば」は中低周波成分が主体(500〜1500Hz帯)で、周波数特性が異なるため聞き間違いは少ない。
3. 「あ」と「え」
❌ 誤り。両母音とも基本周波数(F0)が中心であり、第1〜第2フォルマント(F1:500〜1000Hz、F2:1500〜2500Hz)で識別される。通常の聴力図では弁別不可能になりやすくない。
4. 「ま」と「ば」
❌ 誤り。「ま」(鼻音M)と「ば」(閉鎖音B)は調音点と調音方法が異なり、基本周波数と低周波帯での特性で十分弁別可能。高周波聴力低下の影響は小さい。
5. 「さ」と「な」
❌ 誤り。「さ」(歯茎摩擦音)は3〜8kHz帯の高周波を多く含むが、「な」(鼻音)は低〜中周波成分が中心。音響特性が大きく異なり、同程度の聞き間違いは起こらない。
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【試験対策ポイント】
聴力と言語音の周波数特性の対応関係
| 音声 | 主要周波数帯 | 聴力低下の影響 |
|---|---|---|
| 「き」「ち」「し」 | 3〜4kHz(高周波) | 聞き間違い高リスク |
| 「わ」「あ」「え」 | 500Hz以下〜中周波 | 比較的影響少ない |
| 「ば」「ま」「な」 | 低〜中周波(1500Hz未満) | 高周波聴力低下では弁別可 |
キー知識:
- 高周波域(3kHz以上)聴力低下→子音(特に摩擦音・破擦音)の弁別困難
- 低周波域(1kHz以下)聴力低下→母音弁別困難
- オージオグラムの「4kHz dip」は高周波感音難聴の典型パターン→子音聞き間違いの予測材料