第21回 言語聴覚士国家試験 第197問
補聴器・人工内耳第21回
「JIS C 5512:2015補聴器」について誤っているのはどれか。
- 1.音響カプラには2cm3カプラを用いる。
- 2.補聴器の品質・性能を保証する規格である。
- 3.入出力特性の横軸が入力音圧レベル、縦軸が出力音圧レベルを表す。
- 4.高周波数平均値(HFA)は1,000Hz、1,600Hz、2,500Hzの平均値である。
- 5.補聴器装用者は補聴器をJISに定める測定条件で使用する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 補聴器装用者は補聴器をJISに定める測定条件で使用する。
JIS C 5512:2015は補聴器の製造・品質管理・性能評価に関する「試験規格」であり、実際の装用者が日常生活でこの測定条件に従って使用するものではありません。装用者は耳の奥(鼓膜付近)の実耳音響特性を基準に補聴器を使用するため、JISの試験条件(2cm³音響カプラを用いた人工耳)での評価と実装用とは必ずしも一致しません。
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【各選択肢の解説】
1. 音響カプラには2cm³カプラを用いる。
✅ 正しい。JIS C 5512:2015では、補聴器の性能測定時に標準音響カプラとして2cm³(2mL)カプラを使用します。これは国際規格IEC 60318-4に準拠しており、標準的な成人耳を想定した音響特性を持ちます。
2. 補聴器の品質・性能を保証する規格である。
✅ 正しい。JIS C 5512:2015は日本工業規格(JIS)として、補聴器の性能・品質基準を定めた規格です。製造業者はこの規格に基づいて補聴器を製造・試験し、製品の品質保証を行います。
3. 入出力特性の横軸が入力音圧レベル、縦軸が出力音圧レベルを表す。
✅ 正しい。補聴器の入出力特性(圧縮特性)曲線では、横軸に入力音圧レベル(dB SPL)、縦軸に出力音圧レベル(dB SPL)をプロットします。これにより、入力値に対する補聴器の増幅・圧縮特性が視覚化されます。
4. 高周波数平均値(HFA)は1,000Hz、1,600Hz、2,500Hzの平均値である。
✅ 正しい。HFA(High Frequency Average)は、補聴器の高周波領域での平均的な特性を表すために、1,000Hz、1,600Hz、2,500Hzの3周波数での利得・出力の平均値として定義されています。これは国際的な評価指標です。
5. 補聴器装用者は補聴器をJISに定める測定条件で使用する。
❌ 誤り。JIS C 5512:2015の測定条件(2cm³カプラ、人工耳)は「製造業者による品質試験・性能表示」のための条件であり、実際の装用者が日常生活で「この条件下で補聴器を使用する」わけではありません。装用者は個人差のある実耳特性を基に、フィッティング後に使用します。
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【試験対策ポイント】
試験規格 vs 装用者の使用
| 項目 | 試験規格(JIS) | 実装用 |
|---|---|---|
| 測定環境 | 2cm³カプラ+人工耳 | 個人の実耳(REUR/REAR) |
| 目的 | 製品の品質・性能評価 | 聴力・好みに応じたカスタマイズ |
| 対象 | 製造業者 | 装用者 |
| 規格準拠 | 必須 | 拘束されない |
JIS C 5512:2015の主要項目
- 2cm³カプラ使用(成人標準耳に対応)
- 入出力特性の記載方法を標準化
- HFA(1kHz、1.6kHz、2.5kHz平均)で高周波特性を代表
- 最大音出力レベル(OSPL90)など仕様表示の統一
- 試験条件は「人工耳」での測定→実装用とは異なる
重要な「否定知識」
- 装用者が規