STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第21問

聴覚系第21回
解剖学的に交通がみられない組合せはどれか
  1. 1.鼓 室 ― 咽 頭
  2. 2.前 庭 ― 内リンパ嚢
  3. 3.骨迷路 ― 膜迷路 ✓
  4. 4.蝸牛管 ― 前 庭
  5. 5.半規管 ― 卵形嚢

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 骨迷路 — 膜迷路 骨迷路と膜迷路は「解剖学的に直接交通しない」のが正解。骨迷路は側頭骨内の骨性構造であり、膜迷路はその内腔に浮遊する膜性構造です。両者は骨迷路内の外リンパ液で隔てられており、物理的な開口部を持たない唯一の組合せです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 鼓室 — 咽頭 ✅ 正しい。耳管(ユーステーキア管)により交通します。耳管は鼓室前壁から始まり、咽頭側壁(咽頭口)に開きます。圧平衡機構の重要な経路です。 2. 前庭 — 内リンパ嚢 ✅ 正しい。内リンパ導管により交通します。内リンパ導管は蝸牛管から始まり、前庭を経由して内リンパ嚢に至ります。メニエール病では内リンパ水腫が生じる部位です。 3. 骨迷路 — 膜迷路 ❌ 誤り。解剖学的に直接交通しません。骨迷路は側頭骨の岩様部内に存在する骨性構造で、その内腔を流れる外リンパ液の中に膜迷路が浮遊しています。膜迷路はペリリンパティック空隙(外リンパ腔)で骨迷路と隔てられており、物理的な開口部や連続性がありません。 4. 蝸牛管 — 前庭 ✅ 正しい。蝸牛管はライスナー膜で区切られた膜迷路構造ですが、その下端はヘリコトレマを経由して前庭階(外リンパ腔)と交通し、さらに前庭窓を通じて前庭と間接的に交通します。内リンパ導管も蝸牛管から始まり前庭に至ります。 5. 半規管 — 卵形嚢 ✅ 正しい。半規管は膜迷路構造であり、その下端は卵形嚢(前庭器官)に開きます。半規管扁平部とも呼ばれる卵形嚢への開口により、回転加速度情報は卵形嚢を経由して伝達されます。 --- 【試験対策ポイント】 内耳解剖における交通・非交通の整理 | 構造 | 性質 | 交通相手 | 液質 | |---|---|---|---| | 骨迷路 | 側頭骨内の骨性腔 | 膜迷路と交通しない | 外リンパ液が周辺 | | 膜迷路 | 骨迷路内に浮遊 | 骨迷路と非交通 | 内リンパ液を含有 | | 耳管 | 中耳 → 咽頭 | 鼓室と咽頭を接続 | 空気 | | 内リンパ導管 | 蝸牛管 → 前庭 → 内リンパ嚢 | 膜迷路系を連結 | 内リンパ液 | | ヘリコトレマ | 蝸牛頂端の構造 | 蝸牛管と前庭階を連絡 | 外リンパ液 | 重要な「否定知識」 - 骨迷路と膜迷路に開口部・連続性はない - 外リンパ液が両者のギャップを埋める(=隔てる) - メニエール病は内リンパ系の問題(膜迷路内の内リンパ水腫) 頻出の混同ポイント - 「膜迷路が骨迷路内にある」=物理的接触がある と誤解しやす
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