STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第29問

心理測定法第21回
統計学的仮説検定について正しいのはどれか。 a.推測統計に基づく方法である。 b.帰無仮説を採択することを目的とする。 c.p値は有意水準と同じ意味の用語である。 d.有意水準5%の両側検定では、分布の両端に5%ずつの棄却域が設けられる。 e.分散分析ではF分布が用いられる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 仮説検定は推測統計に基づく方法であり、帰無仮説を棄却することを目的とします。また、複数群間の平均値比較を行う分散分析ではF分布が用いられます。aとeが正しい組み合わせです。 --- 【各選択肢の解説】 a. 推測統計に基づく方法である。 ✅ 正しい。仮説検定は標本データから母集団の特性を推測する推測統計の中核的な方法です。観測されたデータから一般的な結論を導き出すプロセスです。 b. 帰無仮説を採択することを目的とする。 ❌ 誤り。仮説検定の目的は帰無仮説を「棄却」することであり、採択ではありません。帰無仮説が棄却されて初めて対立仮説が支持されます。帰無仮説が棄却されない場合は「採択」ではなく「棄却されなかった」と表現します。 c. p値は有意水準と同じ意味の用語である。 ❌ 誤り。p値(p-value)と有意水準(α)は異なる概念です。p値は「帰無仮説が真である時に、観測された値以上の極端な結果が得られる確率」であり、有意水準は「帰無仮説を棄却する判定基準」として事前に設定する値です(通常は5%または1%)。 d. 有意水準5%の両側検定では、分布の両端に5%ずつの棄却域が設けられる。 ❌ 誤り。両側検定で有意水準5%の場合、分布の両端に「2.5%ずつ」の棄却域が設けられます。合計で5%の棄却域が両側に分配されるため、各側2.5%となります。 e. 分散分析ではF分布が用いられる。 ✅ 正しい。分散分析(ANOVA)では複数群間の平均値の差を検定する際、F統計量を計算し、F分布を用いて有意性を判定します。F分布は2つのカイ二乗分布の比として定義されます。 --- 【試験対策ポイント】 仮説検定の基本用語まとめ: | 用語 | 定義・説明 | |---|---| | 帰無仮説(H0) | 棄却することを目的とする仮説。通常は「差がない」「関係がない」 | | 対立仮説(H1) | 帰無仮説の逆。支持したい仮説 | | 有意水準(α) | 帰無仮説を棄却する判定基準。事前に設定(5%または1%) | | p値 | 帰無仮説が真の時の確率。p < αなら棄却 | | 両側検定 | 分布の両端に棄却域を設ける。各側α/2 | | 片側検定 | 分布の片方に棄却域を設ける。α全体を片側に配置 | 統計検定で用いられる分布: | 分布 | 用途 | |---|---| | t分布 | 平均値の検定(標本数が少ない場合) | | F分布 | 分散分析・等分散性の検定 | | χ²分布 | カテゴリカルデータ・独立性の検定 | | z分布 | 平均値の検定(標本数が大きい場合) | 頻出誤解点: - 帰無仮説「採択」と「棄却されない」は異なる→後者が正確 - p値が0.05より大きい = 帰無仮説が真ではなく、「棄却する証拠が不足」 - 両側検定で有意水準5% → 各側2.5%(合計5%)
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