第21回 言語聴覚士国家試験 第3問
解剖学第21回
誤っているのはどれか。
a.肺動脈には静脈血が流れる
b.末梢動脈は副交感神経によって拡張する
c.冠動脈は肺動脈から分岐する
d.胸管にはリンパ液が流れる
e.脳脊髄液は脈絡叢で産生される
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
心臓・循環系・リンパ系の解剖学的基本知識を問う問題です。末梢動脈の交感神経支配と冠動脈の起始部を理解することが正答の鍵となります。
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【各選択肢の解説】
a. 肺動脈には静脈血が流れる
✅ 正しい。肺動脈は右心室から出る唯一の「静脈血を運ぶ動脈」です。二酸化炭素を含む静脈血を肺へ運び、ガス交換後は肺静脈(動脈血)が左心房に戻ります。肺循環の構造を理解する上で重要な知識です。
b. 末梢動脈は副交感神経によって拡張する
❌ 誤り。末梢動脈は交感神経によって支配されており、交感神経刺激で「収縮(血管収縮)」、交感神経遮断で「拡張」します。副交感神経は心拍数や胃腸機能などに作用しますが、末梢動脈の血管平滑筋支配には関与しません。これが正答の根拠となる最大の誤りです。
c. 冠動脈は肺動脈から分岐する
❌ 誤り。冠動脈は大動脈の初部(上行大動脈)から直接分岐します。左冠動脈と右冠動脈の2本が心臓自体に栄養血管を供給します。肺動脈から分岐するのではなく、大動脈からの分岐であることが解剖学的に正確です。このため「正誤問題では誤りの根拠になる」選択肢です。
d. 胸管にはリンパ液が流れる
✅ 正しい。胸管は体内最大のリンパ管で、腹部・骨盤部・下肢のリンパ液の約75%を集約し、左鎖骨下静脈に注入します。リンパ系の中枢的な役割を担っています。
e. 脳脊髄液は脈絡叢で産生される
✅ 正しい。脳脊髄液は側脳室・第3脳室・第4脳室の脈絡叢で産生されます(1日約500mL産生)。その後くも膜下腔で吸収されます。脳脊髄液産生の機序を問う重要知識です。
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【試験対策ポイント】
循環系の交感・副交感神経支配の比較表
| 器官/組織 | 交感神経 | 副交感神経 |
|---|---|---|
| 末梢動脈 | 収縮 | 作用なし |
| 心拍数 | 増加 | 減少 |
| 散瞳筋 | 散瞳 | 縮瞳 |
| 胃腸平滑筋 | 抑制 | 促進 |
重要:末梢動脈は「交感神経のみで支配」される臓器の代表例です。副交感神経は関与しません。
血液の酸素化フロー
大動脈(動脈血)→ 全身毛細血管 → 静脈血 → 肺動脈(静脈血を肺へ)→ 肺毛細血管(酸素化)→ 肺静脈(動脈血)→ 左心房
冠動脈の分岐起始部
上行大動脈 → 左右冠動脈(左冠動脈は左前下行枝LADと左回旋枝LCxに分岐)
脳脊髄液産生の3カ所
側脳室脈絡叢 → 第3脳室脈絡叢 → 第4脳室脈絡叢