第21回 言語聴覚士国家試験 第4問
生理学第21回
自律神経について誤っているのどれか。
- 1.交感神経節前線維からはアセチルコリンが放出される
- 2.副交感神経節後線維からはアセチルコリンが放出される
- 3.唾液分泌は副交感神経刺激により促進される
- 4.胃腸管の運動は副交感神経刺激によって促進される
- 5.副交感神経刺激で散瞳する ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 副交感神経刺激で散瞳する
副交感神経刺激は瞳孔を縮小させる(縮瞳)ため、この選択肢は誤りです。散瞳(瞳孔散大)は交感神経刺激によって生じます。副交感神経の作用を理解する上で、「縮瞳・調節」が副交感神経の眼への典型的な作用であることは重要です。
---
【各選択肢の解説】
1. 交感神経節前線維からはアセチルコリンが放出される
✅ 正しい。交感神経の節前線維と副交感神経の節前線維の両方からアセチルコリンが放出されます。これはニコチン受容体に作用します。
2. 副交感神経節後線維からはアセチルコリンが放出される
✅ 正しい。副交感神経の節後線維の大多数からはアセチルコリンが放出され、ムスカリン受容体に作用します。これが副交感神経の典型的な作用メカニズムです。
3. 唾液分泌は副交感神経刺激により促進される
✅ 正しい。副交感神経刺激により唾液分泌は促進されます。これは副交感神経の重要な機能で、顔面神経(VII)と舌咽神経(IX)を経由して支配されます。
4. 胃腸管の運動は副交感神経刺激によって促進される
✅ 正しい。副交感神経刺激により胃腸管の蠕動運動は促進されます。消化器の運動・分泌は副交感神経の典型的な作用領域です。
5. 副交感神経刺激で散瞳する
❌ 誤り。副交感神経刺激は瞳孔を縮小させる(縮瞳)ため、散瞳ではなく散瞳の反対です。散瞳は交感神経刺激(アドレナリン作用)による現象です。
---
【試験対策ポイント】
| 項目 | 副交感神経刺激 | 交感神経刺激 |
|---|---|---|
| 瞳孔 | 縮瞳 | 散瞳(拡大) |
| 涙液分泌 | 促進 | 抑制 |
| 唾液分泌 | 促進(漿液性) | 抑制 |
| 汗腺分泌 | 限定的 | 促進 |
| 心拍数 | 低下 | 上昇 |
| 血管 | 拡張 | 収縮 |
| 胃腸運動 | 促進 | 抑制 |
| 膀胱排尿筋 | 収縮(排尿促進) | 弛緩 |
重要な否定知識:
- 散瞳と縮瞳は対立する現象(試験での頻出錯誤)
- 副交感神経は「rest and digest」機能が主で、エネルギー消費を伴う散瞳は当てはまらない
- 瞳孔反射:縮瞳=副交感神経;散瞳=交感神経(明順応・暗順応の原理)