第21回 言語聴覚士国家試験 第32問
臨床心理学第21回
認知療法理論における「歪んだ認知」でないのはどれか。
- 1.非言語的思考 ✓
- 2.恣意的推論
- 3.二分法的思考
- 4.過度の一般化
- 5.個人化
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 非言語的思考
認知療法(特にBeck理論)における「歪んだ認知」は、論理的根拠なく自動的に起こる否定的思考パターンです。非言語的思考(イメージ・感覚など)は、認知療法の対象とする「言語的な自動思考」ではなく、むしろ認知療法以外のアプローチ(スキーマセラピー・マインドフルネスなど)で扱われます。
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【各選択肢の解説】
1. 非言語的思考
✅ 正しい(歪んだ認知ではない)。認知療法が対象とするのは言語化可能な「自動思考」です。イメージ・身体感覚・無意識的な反応は言語的認知ではなく、歪んだ認知の範疇に含まれません。
2. 恣意的推論
❌ 誤り(歪んだ認知)。証拠がないのに否定的な結論に飛び跳ねることです。例:「あの人が笑った=私を馬鹿にしている」と根拠なく思い込む。Beck理論の代表的な認知の歪み。
3. 二分法的思考
❌ 誤り(歪んだ認知)。物事を「完全か失敗か」「全か無か」という両極端でしか捉えない思考です。例:「一つ間違えたら全部ダメ」「完璧でなければ0点」という思考パターン。
4. 過度の一般化
❌ 誤り(歪んだ認知)。一度の失敗を恒久的・普遍的なものと捉える思考です。例:「今回失敗した=私はいつもうまくいかない」「この状況は永遠に続く」という拡大解釈。
5. 個人化
❌ 誤り(歪んだ認知)。自分に責任がない事柄を自分のせいだと解釈する思考です。例:「友人が不機嫌=自分が何か悪いことをした」と根拠なく自責する。
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【試験対策ポイント】
認知療法における主な「歪んだ認知」の分類:
| 認知の歪み | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 恣意的推論 | 証拠なく否定的結論へ飛躍 | 返信がない=嫌われた |
| 過度の一般化 | 1つの失敗を全般化 | 1度失敗=いつも失敗 |
| 心的フィルター | ネガティブだけに注目 | 褒めは無視&批判だけ記憶 |
| 二分法的思考 | 完全か失敗か極端化 | 100点か0点か |
| 破局化 | 小さなことを大ごと化 | 小さなミス=人生終わり |
| 個人化 | 無関係な事を自責化 | 他人の不機嫌=自分が原因 |
| 読心術 | 根拠なく他者の心を読む | あの顔は馬鹿にしている |
| 脱線化 | 正の側面を否定する | 褒められても「社交辞令」 |
**重要な否定知識:**
- 非言語的思考=イメージ・身体感覚・無意識的反応→認知療法の対象外
- 認知療法が対象にするのは「言語化可能な自動思考」のみ
- 言語的認知以外のアプローチはスキーマセラピー・メタ認知療法・マインドフルネスなどで扱う
**出題頻度:高** — 認知療法の定義的知識として、何が「歪んだ認知」に含まれるかは必出。否定形での出題が多いため注意。