第21回 言語聴覚士国家試験 第33問
生涯発達心理学第21回
誤っている組合せはどれか
- 1.Harlow,H.F. ― 代理母実験
- 2.Vygotsky,L.S. ― 発達の最近接領域
- 3.Parten,M.B. ― 社会的遊びの分類
- 4.Bruner,J.S. ― 足場かけ
- 5.Kübler-Ross,E. ― カンガルーケア ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — Kübler-Ross,E. — カンガルーケア
Kübler-Rossが提唱したのは「死の受け入れプロセス(5段階)」であり、カンガルーケアとは無関係です。カンガルーケアは新生児の体温調節と親子結合を目的とした看護ケアで、Kübler-Rossとは何ら関連がありません。
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【各選択肢の解説】
1. Harlow,H.F. — 代理母実験
✅ 正しい。アメリカの心理学者Harlow(ハーロー)はアカゲザルを用いて、母性愛の本質を明らかにするため、布製の母親と針金製の母親を用意し、授乳の有無よりも「接触による快感」が重要であることを示した古典的研究です。
2. Vygotsky,L.S. — 発達の最近接領域
✅ 正しい。ロシアの心理学者Vygotsky(ヴィゴツキー)が提唱した「発達の最近接領域(ZPD:Zone of Proximal Development)」は、子どもが一人でできる領域と援助を受けてできる領域の差を示す重要な概念です。
3. Parten,M.B. — 社会的遊びの分類
✅ 正しい。アメリカの心理学者Parten(パルテン)は、乳幼児の社会的遊びを6段階(孤独遊び→傍観→並行遊び→連合遊び→協同遊び→競争遊び)に分類し、発達とともに社会性が高まることを示しました。
4. Bruner,J.S. — 足場かけ
✅ 正しい。アメリカの心理学者Bruner(ブルーナー)が提唱した「足場かけ(スキャフォルディング)」は、学習者が課題を達成できるよう段階的に支援を提供し、徐々に減らしていく教授法です。
5. Kübler-Ross,E. — カンガルーケア
❌ 誤り。Kübler-Ross(キューブラー=ロス)はスイス生まれの精神科医で、「死に瀕する患者との対話」から「死の受け入れの5段階(否認→怒り→取引→抑うつ→受容)」を提唱しました。カンガルーケアは新生児の皮膚接触を用いた看護介入で、無関係です。
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【試験対策ポイント】
発達心理学の重要人物と業績(紛らわしい組合せ)
| 人物 | 主要業績 | 対象 |
|---|---|---|
| Harlow | 代理母実験(接触による愛着形成) | アカゲザル |
| Vygotsky | 発達の最近接領域(ZPD) | 認知発達 |
| Parten | 社会的遊びの6段階分類 | 乳幼児の遊び |
| Piaget | 認知発達4段階 | 認知発達 |
| Erikson | ライフサイクル8段階 | 生涯発達 |
| Bruner | 足場かけ・スパイラルカリキュラム | 教育方法 |
| Ainsworth | アタッチメントスタイル分類(安定型など) | 愛着 |
| Kübler-Ross | 死の受け入れ5段階 | 終末期心理 |
| Bowlby | 愛着理論(attachment theory) | 愛着 |
誤答の出題パターン:
- 人物と業績を「別分野」に混同させる(今問のようにKübler-Rossとカンガルーケア)
- 類似研究を別人物に割り当てる(Harlow vs Bowlby の愛着関連など)
- 提唱者と時代のズレを狙う(古い理論を新しい応用法に結びつける)