第21回 言語聴覚士国家試験 第34問
生涯発達心理学第21回
新生児期からみられるのはどれか。
- 1.パラシュート反応
- 2.分離不安
- 3.内 言
- 4.情動伝染 ✓
- 5.三項関係
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 情動伝染
情動伝染は新生児期から見られる最も基本的な情動的応答であり、周囲の情動状態に自動的かつ無意識に反応する現象です。新生児は環境の感情的雰囲気を直感的に受け取り、泣いている他の新生児の泣き声に誘発されて泣くなど、原始的な共感的反応を示します。この反応は神経系の発達段階で最も早期に出現します。
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【各選択肢の解説】
1. パラシュート反応
❌ 誤り。パラシュート反応は乳児期後期(生後6~7ヶ月以降)に出現する姿勢反応で、身体が落下するような刺激を受けた際に両腕を広げて身を守ろうとする反応です。新生児期にはまだ見られません。
2. 分離不安
❌ 誤り。分離不安は生後6~8ヶ月以降に出現する発達現象で、養育者から分離されることに対して不安や恐怖を示します。対象の永続性(対象永続性)の発達を背景としており、新生児期には見られません。
3. 内言
❌ 誤り。内言(内的言語)はピアジェの理論における象徴的思考の発達段階で、幼児期(1~2歳以降)に出現する現象です。思考が内在化し、実際には言葉に出さずに思考する能力であり、新生児期の発達段階ではありません。
4. 情動伝染
✅ 正しい。情動伝染は新生児期から見られる原始的で自動的な感情の共鳴現象です。他者の情動状態が直接、無意識的に伝わり、自分も同じ情動状態になる反応であり、神経系の最も基本的な機能として新生児でも観察されます。
5. 三項関係
❌ 誤り。三項関係(共同注視)は、乳児が対象物を見た後に大人の顔を見たり、大人が指している物を一緒に見たりするやり取りで、生後9~12ヶ月以降に発達します。新生児にはこのような複雑な社会的認知はまだ発達していません。
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【試験対策ポイント】
新生児期(0~3ヶ月)から見られる発達現象と見られない現象の区別:
| 発達現象 | 出現時期 | 説明 |
|---|---|---|
| 情動伝染 | 新生児期~ | 他者の感情に無意識に同調。最も原始的 |
| パラシュート反応 | 生後6~7ヶ月~ | 落下刺激への姿勢防御反応 |
| 分離不安 | 生後6~8ヶ月~ | 養育者分離への不安(対象永続性の発達後) |
| 三項関係 | 生後9~12ヶ月~ | 共同注視。社会的認知の発展段階 |
| 内言 | 幼児期(1~2歳~) | 思考の内在化。象徴的思考の発達段階 |
キーワード:
- 新生児期に見られる反応=「自動的」「無意識的」「原始的」
- 後期に出現する発達現象=「認知的発達」「社会的認知」「複雑な相互作用」を要件とする