STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第35問

生涯発達心理学第21回
Piaget,J.の発達理論における前操作期の特徴はどれか。 a.量の保存性 b.可逆的思考 c.自己中心性 d.アニミズム e.仮説演繹法による思考 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c.自己中心性 d.アニミズム 前操作期(2~7歳)はPiagetの認知発達段階で、具体的操作ができず、他者の視点を理解できない時期です。自己中心性(自分の視点が絶対と考える)とアニミズム(物に心や意志があると考える)がこの段階の典型的特徴です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 量の保存性 ❌ 誤り。量の保存性は「具体的操作期(7~11歳)」で初めて獲得される能力です。前操作期では、コップの形が変わると「量が変わった」と思い込むなど、見た目に支配されます。これは有名な「液量保存課題」で実証されています。 b. 可逆的思考 ❌ 誤り。可逆的思考(逆方向の操作を思考できる能力)も具体的操作期の特徴です。前操作期の子どもは「足す」ことはできても「引く」ことを同時に思考できず、思考に一方向性があります。 c. 自己中心性 ✅ 正しい。前操作期の最も重要な特徴です。自分の視点からしか世界を認識できず、他者の異なる視点を理解できません。有名な「3山課題」でこれが実証され、背後から見た山の配置を想像できません。 d. アニミズム ✅ 正しい。前操作期の典型的特徴で、物理的に無生物の物に心や意志、生命があると考えます。「風が吹いている」「川が流れたい」など、擬人化的思考が顕著です。 e. 仮説演繹法による思考 ❌ 誤り。仮説演繹法(仮説を立てて推論する抽象的思考)は「形式的操作期(11~15歳以降)」の特徴です。前操作期の子どもはまだ具体物を目の前にしないと思考できません。 --- 【試験対策ポイント】 Piagetの認知発達段階と各段階の特徴 | 段階 | 時期 | 特徴 | 代表的課題 | |---|---|---|---| | 感覚運動期 | 0~2歳 | 反射→目的行動、対象の永続性獲得 | — | | 前操作期 | 2~7歳 | 自己中心性・アニミズム・物質化 | 3山課題・液量保存課題 | | 具体的操作期 | 7~11歳 | 保存性・可逆的思考・脱中心化 | 液量保存・質量保存 | | 形式的操作期 | 11~15歳以上 | 抽象思考・仮説演繹法・論理的推論 | 科学的実験・数学的抽象化 | 前操作期の重要特徴(ST国試頻出) - 自己中心性:他者の視点を理解できない - アニミズム:無生物に生命を付与 - 物質化:思考が目に見えることに支配される - 一方向的思考:可逆性がない - 魔法的思考:科学的因果関係の理解不足 頻出の誤り選択肢(保存性・可逆性・仮説演繹法) → すべて具体的操作期以降。この3つは「前操作期には存在しない」という否定知識が重要です。
関連

▶ 第21回 全問一覧

▶ 生涯発達心理学 の過去問一覧