STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第39問

音響学第21回
「マッチ」の促音で観察されるのはどれか。
  1. 1.摩擦区間の持続
  2. 2.閉鎖区間の持続 ✓
  3. 3.母音の無声化
  4. 4.口蓋化
  5. 5.鼻音化

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 閉鎖区間の持続 促音(「ッ」)は無音区間を伴う特殊音であり、「マッチ」の「ッ」では破裂音「チ」に先行する閉鎖(舌と歯茎の接触)が延長される。この閉鎖区間の延長が促音の音響的特徴である。促音は次の音(後続音)の閉鎖段階を先行させることで実現される。 --- 【各選択肢の解説】 1. 摩擦区間の持続 ❌ 誤り。摩擦区間は摩擦音(サ行など)に特有の音響現象であり、促音には関わらない。「マッチ」の促音は破裂音の閉鎖に関連するため、摩擦ではなく無音区間(閉鎖区間)が特徴となる。 2. 閉鎖区間の持続 ✅ 正しい。「マッチ」の「ッ」は、後続音「チ」の閉鎖(舌と歯茎の接触)が意図的に延長された形である。この延長された無音区間が促音の本質的な音響特徴である。 3. 母音の無声化 ❌ 誤り。母音の無声化は促音に伴う現象ではない。むしろ先行する母音(「マ」)は通常通り有声音として発音される。 4. 口蓋化 ❌ 誤り。口蓋化(パラタライゼーション)は音の調音点が硬口蓋側にシフトする現象であり、促音の特徴ではない。促音は破裂音の閉鎖区間の延長である。 5. 鼻音化 ❌ 誤り。鼻音化は軟口蓋が下がって鼻腔への気流が増加する現象であり、促音には関わらない。促音は口腔における閉鎖の延長である。 --- 【試験対策ポイント】 日本語の促音と各音響現象の対応: | 音響現象 | 関連する音 | 例 | |---|---|---| | 閉鎖区間の延長 | 促音(破裂音の前)| マッチ・キップ・ザッシ | | 摩擦区間 | 摩擦音 | サ行・シャ行 | | 母音の無声化 | 後続音が無声音の直後 | 来た・した | | 口蓋化 | 硬口蓋との接近・接触 | シャ行・チャ行 | | 鼻音化 | 撥音「ン」 | マン・カン | 促音の音響的定義:後続の破裂音(またはアフリケート)の閉鎖区間が先行して現れ、無音期間が延長された状態。これにより音韻的に「短い」破裂音と「促音+破裂音」が区別される(例:カタ vs カッタ)。
関連

▶ 第21回 全問一覧

▶ 音響学 の過去問一覧