STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第47問

言語発達学第21回
CDS(子供に向けられた発話)の特徴で誤っているのはどれか。
  1. 1.声の高さが高いままである。 ✓
  2. 2.文法的簡単化をする。
  3. 3.ゆっくりとしたテンポで話す。
  4. 4.語や節を繰り返す。
  5. 5.意味的な制約がある。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 声の高さが高いままである。 CDS(Child-Directed Speech:子供に向けられた発話)は、保護者が幼児と交流する際に自然と使用する特殊な音声・言語パターンです。特徴的なのは、開始時に声の高さが高くなるものの、**発話の進行に伴い声の高さは低下する**傾向があります。「高いままである」という選択肢は、この動的な変化を無視しているため誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 声の高さが高いままである。 ❌ 誤り。CDSは初期段階で声の高さが上昇しますが、発話全体を通して「高いままキープ」するわけではなく、むしろ次第に低下します。これはマザリーズ(motherese)と呼ばれる現象の正確な記述ではありません。 2. 文法的簡単化をする。 ✅ 正しい。CDSの典型的特徴で、複雑な文法構造を避け、短い文や単純な文型を使用します。「ワンワン、いますね」など、幼児の言語理解段階に合わせた簡潔な表現が使われます。 3. ゆっくりとしたテンポで話す。 ✅ 正しい。発話速度を低下させることで、幼児が音韻を識別しやすくなり、言語習得を促進します。 4. 語や節を繰り返す。 ✅ 正しい。「ワンワン、ワンワン」のように、同じ語を反復することで幼児の注意を引き、語彙習得を強化します。 5. 意味的な制約がある。 ✅ 正しい。CDSで扱われるトピックは、幼児の身近な環境(親、おもちゃ、食べ物など)に制限されます。抽象的で複雑な概念は避けられます。 --- 【試験対策ポイント】 CDS(マザリーズ)の特徴整理表 | 特徴 | 内容 | |---|---| | 音声学的特徴 | 初期に高いピッチ→次第に低下、音韻明瞭化 | | 文法的特徴 | 短文、単純文型、複雑構文を避ける | | 発話速度 | 低速(ゆっくり) | | 語彙選択 | 繰り返し、強調、同じ語の反復使用 | | 内容範囲 | 幼児の身近な対象に限定 | | 発話量 | 一般的に成人間対話より多い | 押さえるべきポイント: - 「高いままである」は間違い→声の高さは変動する - CDSは「幼児の言語習得を促進する自然な適応」 - マザリーズと同義語として扱われることが多い - 文化を超えて共通する現象(ただし個人差・文化差あり)
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