第21回 言語聴覚士国家試験 第55問
失語症第21回
失語症に伴うことが多いのはどれか。
- 1.計算障害 ✓
- 2.健 忘
- 3.視覚性失認
- 4.着衣失行
- 5.作 話
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 計算障害
失語症患者は言語機能の障害に伴い、計算能力が低下することが多いです。特に複雑な計算は数字の読み取りや理解、計算過程の言語的思考に依存するため、失語症の程度に応じて計算障害が顕著に現れます。一方、2~5番は認知機能障害や特定の脳損傷部位に関連する症状で、失語症に必ず伴うわけではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 計算障害
✅ 正しい。失語症患者は数字の音読・理解、計算過程の論理的思考など言語機能に依存する計算能力が低下しやすいです。失語症の重症度と計算障害の程度は相関する傾向があります。
2. 健忘
❌ 誤り。健忘(記憶障害)は海馬や側頭葉内側の障害で生じ、失語症の直接的な随伴症状ではありません。失語症患者が実際には「思い出せる」が「言葉で表現できない」のと異なります。
3. 視覚性失認
❌ 誤り。視覚性失認は頭頂葉・側頭葉の視覚連合野の障害で生じ、失語症(主に左優位半球言語野損傷)とは異なる神経基盤です。失語症患者が必ず視覚性失認を伴うことはありません。
4. 着衣失行
❌ 誤り。着衣失行は観念運動失行の一種で、頭頂葉や前頭葉の運動企画領域の障害で生じます。失語症の原因部位(ブローカ野・ウェルニッケ野など)とは異なり、合併とは限りません。
5. 作話
❌ 誤り。作話(虚構を無自覚に語る)は前頭葉前部の障害や高次認知障害に関連し、失語症に特異的な症状ではありません。むしろ失語症患者は言葉を産出できないため、作話を呈することは稀です。
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【試験対策ポイント】
失語症の随伴症状(よく伴う) vs 合併可能だが必須ではない
| 症状 | 失語症に伴うか | 理由 |
|---|---|---|
| 計算障害 | よく伴う | 数概念・演算の言語処理依存 |
| 健忘 | 伴わない | 記憶系(海馬)障害が別 |
| 視覚性失認 | 伴わない | 視覚連合野の障害が別 |
| 着衣失行 | 伴わない | 観念運動失行(頭頂葉) |
| 作話 | 伴わない | 前頭葉前部障害で生じる |
キーワード:失語症患者に「言語依存する認知機能」(計算など)は低下しやすいが、記憶・視覚認識・運動企画・実行機能は失語症の有無と無関係に評価される。