第21回 言語聴覚士国家試験 第57問
失語症第21回
正しい組合せはどれか。
a.語長効果 ― 失読失書
b.音韻性錯語 ― 健忘性失語
c.復唱障害 ― ロゴペニック型原発性進行性失語
d.語聾 ― ウィルニッケ失語
e.発話開始困難 ― 超皮質性運動失語
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — c,d,e
この問題は失語症の症状と症候名の正確な対応を問うています。各症状がどの失語症タイプで顕著に現れるかを理解することが重要です。
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【各選択肢の解説】
a. 語長効果 — 失読失書
❌ 誤り。語長効果(長い単語ほど理解・産生が困難)は失読失書ではなく、主に健忘性失語で観察されます。失読失書は読み書き機能の障害そのもので、語長効果とは異なる機構です。
b. 音韻性錯語 — 健忘性失語
❌ 誤り。音韻性錯語(セメイン→セメイ)はBroca失語や伝導失語で典型的です。健忘性失語の主症状は語想起困難(異なる錯語パターン)であり、音韻性錯語は顕著ではありません。
c. 復唱障害 — ロゴペニック型原発性進行性失語
✅ 正しい。ロゴペニック型ppaは復唱能力の低下が特徴的な症状であり、音韻処理の障害を反映しています。音韻的短期記憶の障害が根底にあります。
d. 語聾 — ウェルニッケ失語
✅ 正しい。語聾(言語理解の著しい低下)はウェルニッケ失語の中核症状です。ウェルニッケ失語では意味的・音韻的理解がともに障害され、聴覚入力を処理できなくなります。
e. 発話開始困難 — 超皮質性運動失語
✅ 正しい。超皮質性運動失語は「開始困難」が典型的であり、復唱と理解は比較的保持されます。これは自発的な発話開始機構の障害を示唆しています。
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【試験対策ポイント】
失語症の症状と症候名の対応表
| 失語症タイプ | 特徴的症状 |
|---|---|
| Broca失語 | 努力性発話・非流暢・アグラマティズム・音韻性錯語 |
| ウェルニッケ失語 | 語聾(理解著減)・流暢性保持・意味的錯語 |
| 伝導失語 | 復唱著しく不良・理解保持・音韻性錯語 |
| 超皮質性運動失語 | 発話開始困難・復唱保持・自動言語の保持 |
| 超皮質性感覚失語 | 理解困難・復唱保持・流暢性保持 |
| 健忘性失語 | 語想起困難・多くの能力保持・語長効果 |
| ロゴペニック型PPA | 復唱障害・音韻処理障害・音韻的短期記憶低下 |
重要な否定知識
- 音韻性錯語 ≠ 健忘性失語(健忘性失語の主症状は「語想起困難」)
- 語聾 = ウェルニッケ失語(理解障害が中核)
- 語長効果 = 健忘性失語(長い言葉ほど難しい)
- 発話開始困難 = 超皮質性運動失語(復唱は良好のため区別可能)
- 復唱障害の顕著な失語症:伝導失語 or ロゴペニック型PPA
錯語分類の整理
- 音韻性錯語:Broca失語・伝導失語(音韻処理障害)
- 意味性錯語:ウェルニッケ失語・超皮質性感覚失語(意味処理障害)
- 新造語:ウェルニッケ失語で頻出