第21回 言語聴覚士国家試験 第60問
失語症第21回
失語症構文検査で聴覚的理解が語順ストラテジーであった患者。 理解困難な文はどれか。
a.犬が吠える。
b.子供が魚を釣る。
c.太郎を次郎が誉める。
d.白猫が黒猫に追いかけられる。
e.お母さんがキャベツを包丁で切る。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
語順ストラテジーは「言語系列の順序に従って意味役割を割り当てる戦略」です。つまり、「最初の名詞が動作主(主語)、次の名詞が対象(目的語)」という固定的なパターンで理解する方法です。この戦略では、統語的に複雑で語順と意味役割が一致しない文が理解困難になります。
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【各選択肢の解説】
a. 犬が吠える。
✅ 理解可能。SV構文(主語+述語)で、語順通りに「犬=動作主」と解釈できます。語順ストラテジーで容易に処理できる単純文です。
b. 子供が魚を釣る。
✅ 理解可能。SVO構文で、語順通りに「子供=動作主、魚=対象」と解釈できます。語順ストラテジーが有効に機能します。
c. 太郎を次郎が誉める。
❌ 理解困難。目的語が主語より先に現れる「OSV語順」です。語順ストラテジーで順序通りに処理すると「太郎=動作主、次郎=対象」と誤解釈します。正しくは「次郎=動作主、太郎=対象」であり、語順と意味役割が乖離しています。
d. 白猫が黒猫に追いかけられる。
❌ 理解困難。受動文で、表層の語順(白猫=主語)と深層の意味役割(白猫=対象、黒猫=動作主)が逆転しています。語順ストラテジーでは「白猫が動作主」と誤解釈します。統語的複雑性が最も高い文型です。
e. お母さんがキャベツを包丁で切る。
✅ 理解可能。SVO構文で、副詞句が付加されていますが、主要部分は「お母さん=動作主、キャベツ=対象」で語順と一致します。語順ストラテジーで処理できます。
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【試験対策ポイント】
語順ストラテジーが失敗する文型パターン
| 文型 | 特徴 | 理解難度 |
|---|---|---|
| SV(単純文) | 最初の名詞=動作主 | ✅ 可能 |
| SVO(単純文) | 最初の名詞=動作主、次=対象 | ✅ 可能 |
| OSV(倒置) | 目的語が先、主語が後 | ❌ 困難 |
| 受動文(OV) | 形態標識に頼る必要あり | ❌ 困難 |
| 副詞句修飾 | メイン構文は単純なら | ✅ 可能 |
重要:語順ストラテジー使用者は「形態統語的複雑性の高い文」で失敗する。特に受動文とOSV語順が鑑別ポイント。