STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第61問

失語症第21回
失語症の訓練について誤っているものはどれか。
  1. 1.AACは軽度失語症例にも適応がある。
  2. 2.喚語障害に対しては自己産生キューの活用を考える。
  3. 3.音韻性錯語改善のために仮名文字の配列課題を用いる。
  4. 4.仮名書字訓練のキーワード法は遮断除去法の一つである。 ✓
  5. 5.PACEではあたらしい情報の交換を行う。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 仮名書字訓練のキーワード法は遮断除去法の一つである。 キーワード法は「遮断除去法」ではなく「フェーディング法」に分類されます。遮断除去法は意図的にキューを段階的に除去する方法ですが、キーワード法は視覚的サポート(イメージ)を段階的に減らしていく手法であり、メカニズムが異なります。失語症訓練法の分類は試験頻出の混同しやすい項目です。 --- 【各選択肢の解説】 1. AACは軽度失語症例にも適応がある。 ✅ 正しい。AAC(代替・補助コミュニケーション)は重度失語症だけでなく、軽度失語症で呼称困難がある場合の補助手段として、携帯アプリ・文字盤・筆談など幅広く活用されます。 2. 喚語障害に対しては自己産生キューの活用を考える。 ✅ 正しい。喚語障害(特に固有名詞の想起困難)に対して、患者本人が自ら手がかりを産生する「自己産生キュー」は高い有効性があります。外部から与えられるより、自分で産生する情報の方が保持率が高いという心理学的原則に基づきます。 3. 音韻性錯語改善のために仮名文字の配列課題を用いる。 ✅ 正しい。音韻性錯語(例:「橋」を「端」と発話)は音韻体系の障害であり、音韻の類似性・相違を認識させる仮名配列課題(例:「あいうえお」の中から目標音を選ぶ)は効果的です。音韻意識を高める訓練として標準的です。 4. 仮名書字訓練のキーワード法は遮断除去法の一つである。 ❌ 誤り。キーワード法はフェーディング法に分類されます。遮断除去法は「視覚的キューや動作などの外部支援を意図的に除去する」段階的方法ですが、キーワード法は「イメージ(心的キーワード)」を徐々に減らす異なるアプローチです。 5. PACEではあたらしい情報の交換を行う。 ✅ 正しい。PACE(Promoting Aphasics' Communicative Effectiveness)は「実用的コミュニケーション能力の促進」を目的とした訓練法で、セラピストと患者間で実際に新しい情報を交換するロールプレイを行い、実生活に直結する会話スキルを獲得させます。 --- 【試験対策ポイント】 失語症訓練法の分類と特徴 | 訓練法 | 分類 | 特徴 | 適応例 | |---|---|---|---| | キーワード法 | フェーディング法 | イメージを段階的に減らす | 音韻障害・喚語障害 | | 遮断除去法 | キュー段階的除去 | 外部支援を意図的に除去 | 行動パターン定着時 | | PACE | 実用的訓練 | 新情報交換・実践的会話 | 全失語症タイプ | | SLT(セマンティック・レキシカル・トレーニング) | 意味理解強化 | 語彙の意味ネットワーク活性化 | 意味性錯語・理解障害 | 音韻錯語vs意味性錯語への訓練アプローチの違い - 音韻性錯語→「音韻的類似性認識」(仮名配列・韻踏み課題) - 意味性錯語→「意味ネットワーク活性化」(カテゴリー分類・SLT) キューの種類と段階的除去の順序(一般的) 1. 外部キュー
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