第21回 言語聴覚士国家試験 第65問
小児科学第21回
有意味語が獲得できないのはどれか。
- 1.21 トリソミー
- 2.ターナー症候群
- 3.プラダ―・ウィリー症候群
- 4.ウィリアムス症候群
- 5.18 トリソミー ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 18トリソミー
18トリソミー(エドワーズ症候群)は極めて重篤な遺伝性疾患であり、重度の知的障害と多臓器奇形を伴うため、有意味語の獲得が困難または不可能です。これに対し、他の4つの症候群は言語発達の遅延を示しても有意味語の獲得が期待できます。
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【各選択肢の解説】
1. 21トリソミー
✅ 正しい。ダウン症候群は中等度~軽度の知的障害を呈しますが、言語訓練によって有意味語の獲得が可能です。発話は不明瞭でも語彙や文法理解は進む傾向があります。
2. ターナー症候群
✅ 正しい。45,Xの女児に見られ、知的障害がないか軽微です。言語発達は正常またはほぼ正常経過をたどり、有意味語の獲得に支障がありません。
3. プラダー・ウィリー症候群
✅ 正しい。父由来15q11-q13の欠失に起因し、中等度の知的障害を呈しますが、有意味語の獲得は可能です。むしろ過食傾向や行動異常が主な特徴で、言語面では進行性の退行は見られません。
4. ウィリアムス症候群
✅ 正しい。7q11.23欠失による症候群で、軽度~中等度の知的障害を示しますが、「音楽的才能」「対人的親和性」「言語流暢性」が特徴的です。有意味語のみならず文法的複雑な文の産生能も期待できます。
5. 18トリソミー
❌ 誤り(正答)。エドワーズ症候群として知られ、重度の脳奇形(小脳低形成、側脳室拡大など)と全身多臓器奇形を伴います。生存期間も短く、言語中枢の発達が著しく障害されるため、有意味語の獲得は実質的に不可能です。
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【試験対策ポイント】
常染色体異常における言語発達予後の比較
| 疾患 | 知的障害 | 言語面の特徴 | 有意味語獲得 |
|---|---|---|---|
| 21トリソミー | 中等度~軽度 | 発話不明瞭だが語彙増加可 | ◎可能 |
| 18トリソミー | 極めて重度 | 脳奇形で言語中枢未発達 | ✗不可能 |
| 13トリソミー | 極めて重度 | 18同様重篇 | ✗不可能 |
| ターナー症候群 | なし~軽微 | 正常~やや遅延 | ◎可能 |
| ウィリアムス症候群 | 軽度~中等度 | 言語流暢性が特徴 | ◎可能 |
| プラダー・ウィリー症候群 | 中等度 | 言語発達遅延も改善可 | ◎可能 |
重要な否定知識:
- 18トリソミーと13トリソミーは「予後極めて不良」の異常(生存期間も短い)
- 常染色体異常でも「知的障害の重症度」と「言語発達の可否」は別軸で判定すること
- ウィリアムス症候群は知的障害があるにもかかわらず言語能力(特に語彙と流暢性)が相対的に保持される稀有な例