第21回 言語聴覚士国家試験 第71問
言語発達障害学第21回
言語発達障害児の指導方法について誤っている組合せはどれか。
a.インリアル・アプローチ ― 行動療法
b.ペアレント・トレーニング ― カウンセリング
c.ソーシャル・ストーリー ― 構造化
d.ソーシャルスキル・トレーニング ― ロールプレイ
e.拡大・代替コミュニケ―ション ― VOCA
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
言語発達障害児の指導方法と理論的背景の組合せは、インリアル・アプローチが行動療法ではなく相互作用主義に基づき、ペアレント・トレーニングがカウンセリングではなく教育的親訓練であることから、aとbが誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. インリアル・アプローチ — 行動療法
❌ 誤り。インリアル・アプローチはマクドナルドらにより開発された相互作用主義(相互作用論)に基づくアプローチで、親子の相互作用場面での自然な環境での学習を重視します。行動療法ではなく、むしろ環境的・文脈的アプローチに分類されます。
b. ペアレント・トレーニング — カウンセリング
❌ 誤り。ペアレント・トレーニングは親に対する教育的訓練プログラムであり、カウンセリングではありません。親の行動変容を目的とした心理教育的介入で、子どもの言語発達を促進するための具体的なスキルを教えるものです。
c. ソーシャル・ストーリー — 構造化
✅ 正しい。ソーシャル・ストーリーは社会的場面を物語化して教える方法で、自閉症スペクトラム障害児の社会的相互作用の理解を促進するための構造化された介入です。
d. ソーシャルスキル・トレーニング — ロールプレイ
✅ 正しい。ソーシャルスキル・トレーニング(SST)はロールプレイを重要な技法として用い、対人スキルや社会的スキルの習得と般化を目指します。
e. 拡大・代替コミュニケーション — VOCA
✅ 正しい。拡大・代替コミュニケーション(AAC)の中核技術がVOCA(音声出力コミュニケーション・エイド)で、言語表出が困難な児への代替的コミュニケーション手段です。
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【試験対策ポイント】
言語発達障害児指導方法の理論的背景:
| 指導方法 | 理論的背景 | 主要技法 |
|---|---|---|
| インリアル・アプローチ | 相互作用主義 | 親子相互作用・自然環境学習 |
| ペアレント・トレーニング | 学習理論・行動主義 | 親への教育・行動修正 |
| ソーシャル・ストーリー | 認知的アプローチ | 物語化・構造化・社会的シナリオ |
| SST | 学習理論 | ロールプレイ・リハーサル・フィードバック |
| AAC/VOCA | 補償的支援 | 音声出力装置・図記号 |
重要な区別:
- インリアル・アプローチは「相互作用」を重視(行動療法との違い)
- ペアレント・トレーニングは「親への訓練」(子どもへのカウンセリングではない)
- aは理論的背景の誤り、bは介入対象と方法の誤り