第21回 言語聴覚士国家試験 第88問
吃音第21回
吃音について正しいのはどれか。
- 1.2~3歳児の発症率は男女差が少ない。 ✓
- 2.幼児期に構音障害を合併することは少ない。
- 3.就学までに自然治癒することは少ない。
- 4.思春期以降に社会不安障害を合併することは少ない。
- 5.成人になると吃音で悩むことはない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 2~3歳児の発症率は男女差が少ない。
吃音の発症時期である2~3歳児段階では、男女の発症率にまだ大きな差がありません。しかし成長に伴い男性が女性の3~4倍になる傾向が見られます。これは吃音の経過を理解する上で重要な知見です。本選択肢は吃音の疫学における基本事項です。
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【各選択肢の解説】
1. 2~3歳児の発症率は男女差が少ない。
✅ 正しい。吃音の発症直後(幼児期)は男女差が小さいですが、年齢が上がるにつれて男性の有病率が女性の3~4倍に増加します。この性差の広がりは発症後の経過と治癒パターンの性差を反映しています。
2. 幼児期に構音障害を合併することは少ない。
❌ 誤り。吃音児が構音障害を合併する頻度は一般児童より高いとされています。幼児期は言語発達の過渡期であり、吃音と構音障害の両者が認められることは珍しくありません。
3. 就学までに自然治癒することは少ない。
❌ 誤り。むしろ逆です。発症した吃音児の約50~80%は就学までに自然治癒(寛解)することが報告されています。これは吃音の自然経過における最も重要な知見で、幼児期の吃音は予後が良好なケースが多いことを示しています。
4. 思春期以降に社会不安障害を合併することは少ない。
❌ 誤り。吃音が持続する症例では、思春期以降に社会不安障害(対人恐怖、スピーチ不安)の合併が増加します。これは吃音に対する認識の深化と対人的な負担が増す時期と一致しています。
5. 成人になると吃音で悩むことはない。
❌ 誤り。成人に達した吃音症者は職業選択の制限や対人関係の困難に直面し、むしろ心理的負荷が増加することが多いです。長期的な悩みと社会適応の課題を抱えることが報告されています。
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【試験対策ポイント】
【吃音の自然経過と性差】
発症時期:2~5歳がピーク
発症直後の性比:ほぼ同等(男女差少ない)
成人での性比:男性が女性の3~4倍(有病率)
【吃音の自然治癒率】
発症~就学までの寛解率:約50~80%
持続吃音(学齢期以降):予後不良
【吃音児の合併障害】
構音障害:一般児より高頻度で合併
言語発達遅滞:時に伴随
中枢型言語障害:関連性指摘される
社会不安障害:思春期以降に増加
【吃音と年齢段階別の特徴】
幼児期→成長に伴う治癒の可能性あり
学童期→吃音の固定化が進む
思春期→心理的困難の増加
成人期→職業・対人関係への影響顕著