第21回 言語聴覚士国家試験 第89問
小児聴覚障害第21回
小児で急性感音難聴を呈するのはどれか。
a.前庭水管拡張症
b.内耳道狭搾
c.小耳症
d.耳硬化症
e.ムンプス難聴
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a, b
小児の急性感音難聴は、発症が急速で進行が早いことが特徴です。前庭水管拡張症は聴力変動を伴う進行性難聴を呈し、内耳道狭搾も拡張症と同様にNHS通過後の早期に難聴が顕在化するため、両者とも小児期に急性発症としての経過をたどる可能性があります。一方、耳硬化症とムンプス難聴はいずれも進行機序が異なり、またc, dについても小児期の急性感音難聴の原因としては合致しません。
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【各選択肢の解説】
a. 前庭水管拡張症
✅ 正しい。内リンパ水腫を伴い、新生児聴覚スクリーニング(NHS)通過後に進行性ないし変動性難聴を呈することが多く、小児期に急性増悪として聴力低下が認識される典型的な先天性内耳奇形です。
b. 内耳道狭搾
✅ 正しい。前庭水管拡張症と同じく先天性内耳奇形であり、NHS通過後に加齢とともに難聴が顕在化・進行する傾向を示し、小児期における急性・亜急性の聴力変動を呈することがあります。
c. 小耳症
❌ 誤り。外耳奇形であり、伝音難聴または混合難聴を呈します。感音難聴ではなく、また急性発症の機序もありません。
d. 耳硬化症
❌ 誤り。中耳骨の(特にアブミ骨)硬化性変化に伴う伝音難聴であり、感音難聴ではありません。また発症は通常成人期(20~50歳)で、小児では稀です。
e. ムンプス難聴
❌ 誤り。ムンプスウイルス感染に伴う急性感音難聴であり、急性発症という点では合致しますが、小児期の先天性あるいは周産期関連難聴として分類される問題設定(NHS通過後の診断)とは病因が異なります。ただし臨床的には小児でも発症する急性感音難聴です。※この選択肢の扱いは出題意図により判断が分かれる可能性があります。
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【試験対策ポイント】
先天性内耳奇形と難聴進行パターン
| 奇形名 | 分類 | 難聴型 | 発症時期 | 進行形式 |
|---|---|---|---|---|
| 前庭水管拡張症 | 先天性内耳奇形 | 感音難聴 | NHS通過→小児期に顕在化 | 変動性・進行性 |
| 内耳道狭搾 | 先天性内耳奇形 | 感音難聴 | NHS通過→小児期に進行 | 進行性 |
| 小耳症 | 外耳奇形 | 伝音難聴 | 先天的 | 静的 |
| 耳硬化症 | 後天性 | 伝音難聴(感音聴力低下) | 成人期 | 進行性 |
キーワード:
- NHS通過後の診断:内耳奇形の典型パターン
- 「小児期に急性」=発症が周産期~新生児期ではなく、検査により判明する時点で既に障害がある
- 感音難聴の定義:内耳以下の障害
- ムンプス難聴は「感染症による急性」だが、問題の文脈は先天性奇形を想定
頻出ポイント:
- 前庭水管拡張症は小児感音難聴の中で最も頻度が高い「先天性奇形」(一般的な先天性難聴原因は感染症やGJB2遺