第22回 言語聴覚士国家試験 第10問
精神医学第22回
今にも何か重大な出来事が起こるような怪しげで緊迫した雰囲気にとらわれる統合失調症の症状はどれか。
- 1.強迫観念
- 2.侵入想起
- 3.妄想着想
- 4.妄想気分 ✓
- 5.妄想知覚
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 妄想気分
妄想気分とは、外的刺激がないにもかかわらず、周囲の世界全体が「怪しげで緊迫している」「何か重大なことが起こる」といった不気味で不安な雰囲気に満ちていると感じる症状です。具体的な妄想内容がまだ形成されていない段階で、世界全体に対する非合理的な感情的変化が主体となります。統合失調症の初期段階で出現することが多い特徴的な症状です。
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【各選択肢の解説】
1. 強迫観念
❌ 誤り。強迫観念は「不潔である」「鍵をかけなければならない」といった反復的で抵抗しがたい思考であり、主に強迫性障害で見られます。問題文の「世界全体の雰囲気」という感受とは異なり、強迫神経症では自分の観念が不合理と認識できる場合がほとんどです。
2. 侵入想起
❌ 誤り。侵入想起はPTSD・トラウマ関連の症状で、過去の恐怖体験が無意識に繰り返し蘇る現象です。統合失調症における「怪しげな雰囲気」とは無関係で、また根拠のない環境全体への感覚という点で異なります。
3. 妄想着想
❌ 誤り。妄想着想は、外的刺激に基づいて妄想が生じる現象です。例えば「テレビのニュースキャスターが自分に向かって話しかけている」といった、具体的な外的きっかけが存在します。問題文の「外的刺激がない」という条件に合致しません。
4. 妄想気分
✅ 正しい。妄想気分は、根拠のない感情的な世界認識の変化です。「今にも重大なことが起こる」「周囲が怪しい雰囲気に満ちている」という非合理的で漠然とした感覚であり、統合失調症の初期段階(前駆期)を示す重要な症状です。まだ内容のある妄想に発展していない段階です。
5. 妄想知覚
❌ 誤り。妄想知覚は、正常な知覚刺激に対して非合理的な妄想的解釈を付与する現象です。例えば「赤い車が見えた→自分は危険だ」のように、実在する知覚に対する解釈の障害です。問題文の「雰囲気」という漠然とした感受とは区別されます。
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【試験対策ポイント】
妄想関連症状の区別表(統合失調症)
| 症状 | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
| 妄想気分 | 根拠なく、世界全体が怪しく不気味に感じる漠然とした感受 | 「今にも何か起こる」という非合理的な緊迫感 |
| 妄想着想 | 外的刺激(テレビなど)に基づいて妄想が生じる | ニュースキャスターが自分に話しかけていると感じる |
| 妄想知覚 | 通常の知覚に対して妄想的な解釈を付与 | 「赤い車を見た→自分は狙われている」 |
| 妄想内容 | 妄想が既に具体的・明確に形成されている状態 | 「自分は有名人だ」「盗聴されている」 |
統合失調症の初期段階の流れ:妄想気分 → 妄想着想 → 妄想知覚 → 妄想内容の完成
キーワード
- 妄想気分=「外的刺激なし」+「世界全体の雰囲気の変化」+「具体的内容未形成」
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