第22回 言語聴覚士国家試験 第112問
耳鼻咽喉科学第22回
中咽頭癌と関係の深いウイルスはどれか
- 1.アデノウイルス
- 2.ムンプスウイルス
- 3.ヒト乳頭腫ウイルス ✓
- 4.水痘・帯状疱疹ウイルス
- 5.エプスタン・バー(Epstein-Barr)ウイルス
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — ヒト乳頭腫ウイルス
中咽頭癌の発症に関連するウイルスはHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)です。特にHPV16・18型が高リスク型とされ、中咽頭扁平上皮癌の30~70%でHPV陽性が報告されています。HPVは子宮頸癌だけでなく、中咽頭癌をはじめとする頭頸部癌の重要なリスク要因です。
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【各選択肢の解説】
1. アデノウイルス
❌ 誤り。アデノウイルスは急性咽頭炎や結膜炎を引き起こしますが、中咽頭癌の発症とは関連していません。呼吸器・消化器系の一過性感染が主です。
2. ムンプスウイルス
❌ 誤り。ムンプスウイルスは流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因ウイルスです。癌化との関連はなく、予防接種により予防可能な感染症です。
3. ヒト乳頭腫ウイルス
✅ 正しい。HPV(特に16・18型)は中咽頭癌の重要なリスク要因です。感染経路は主に性行為によるもので、持続的感染がオンコジーン発現を誘導し、癌化に至ります。
4. 水痘・帯状疱疹ウイルス
❌ 誤り。VZVは初感染で水痘、再活性化で帯状疱疹を引き起こします。中咽頭癌の発症とは関連がありません。
5. エプスタン・バー(Epstein-Barr)ウイルス
❌ 誤り。EBVは鼻咽頭癌(特に未分化型癌)と関連が深いウイルスです。中咽頭癌ではなく鼻咽頭癌が対象になります。混同しやすい選択肢なので要注意。
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【試験対策ポイント】
頭頸部癌とウイルスの関連性:
| ウイルス | 関連癌 | 補足 |
|---|---|---|
| HPV16・18型 | 中咽頭癌、咽頭後壁癌、扁桃癌 | 性行為感染、世界的に増加傾向 |
| EBV | 鼻咽頭癌(未分化型) | 東南アジア・中国で高頻度 |
| HBV・HCV | 肝細胞癌 | 頭頸部癌ではない |
重要な区別:
- HPV関連中咽頭癌と鼻咽頭癌(EBV)は異なるウイルスが関連
- 鼻咽頭(nasopharynx)vs 中咽頭(oropharynx)の解剖学的位置も整理しておく
- HPV陽性の頭頸部癌は喫煙歴がない若年者に増加している点も臨床的に重要