第22回 言語聴覚士国家試験 第113問
臨床神経学第22回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.進行性筋ジストロフィー ― 偽性肥大
- 2.重症筋無力症 ― 眼瞼下垂
- 3.ミトコンドリア脳筋症 ― 感音難聴
- 4.多発性筋炎 ― 眼球運動障害 ✓
- 5.筋強直性ジストロフィー ― 把握ミオトニア
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 多発性筋炎 ― 眼球運動障害
多発性筋炎は横紋筋(骨格筋・咽頭筋)の炎症が主体で、眼球運動障害は主症状ではありません。眼球運動障害を伴う筋疾患は限定的(例:筋無力症、ミトコンドリア脳筋症)です。
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【各選択肢の解説】
1. 進行性筋ジストロフィー ― 偽性肥大
✅ 正しい。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、変性・萎縮した筋線維が脂肪線維芽細胞に置き換わるため、筋が腫大して見える「偽性肥大(仮性肥大)」が典型的に生じます。特にふくらはぎの肥大が特徴的です。
2. 重症筋無力症 ― 眼瞼下垂
✅ 正しい。眼瞼下垂は重症筋無力症の最初の症状であることが多く、初期~中期では眼症状のみが存在する眼型も存在します。反復運動で悪化するのが特徴です。
3. ミトコンドリア脳筋症 ― 感音難聴
✅ 正しい。ミトコンドリア脳筋症(MELAS等)では内耳のミトコンドリア機能障害により感音難聴が合併することがあります。筋症状だけでなく中枢神経症状や感覚器障害を伴う全身疾患です。
4. 多発性筋炎 ― 眼球運動障害
❌ 誤り。多発性筋炎は四肢近位筋の炎症性筋力低下と筋痛が主症状であり、眼球運動を支配する外眼筋は罹患しません。眼球運動障害は重症筋無力症やミトコンドリア脳筋症などで見られます。
5. 筋強直性ジストロフィー ― 把握ミオトニア
✅ 正しい。筋強直性ジストロフィーでは、筋収縮後に弛緩が遅延する「ミオトニア」現象が見られ、把握ミオトニア(握り拳を握った後、すぐに開けられない)は典型的な症状です。
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【試験対策ポイント】
筋疾患と主症状の対応表
| 疾患 | 主な筋肉の罹患部位 | 眼症状 | その他の特徴 |
|---|---|---|---|
| デュシェンヌ型MD | 近位筋(四肢・体幹) | なし | 偽性肥大、CK上昇著明 |
| 重症筋無力症 | 眼筋が初発 → 全身 | 眼瞼下垂(反復で悪化) | 自己免疫疾患、高齢発症多い |
| ミトコンドリア脳筋症 | 近位筋 | あり(眼球運動障害) | 感音難聴、脳症状、母性遺伝 |
| 多発性筋炎 | 近位筋(炎症性) | なし | 筋痛、皮膚症状、CK中等度上昇 |
| 筋強直性ジストロフィー | 遠位筋が先行 | なし | ミオトニア現象(把握・打診) |
眼球運動障害の見られる筋疾患
- 重症筋無力症(外眼筋)
- ミトコンドリア脳筋症(眼筋麻痺が特徴的)
- オフタルモプレジアをきたす疾患は限定的
多発性筋炎の特徴
- 横紋筋の炎症が主体(骨格筋+咽頭筋)
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