第22回 言語聴覚士国家試験 第114問
病理学第22回
創傷治癒への関与が少ないのはどれか。
- 1.好酸球 ✓
- 2.好中球
- 3.血小板
- 4.マクロファージ
- 5.線維芽細胞
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 好酸球
創傷治癒は好中球・マクロファージ・血小板・線維芽細胞が主要な役割を担います。一方、好酸球は創傷治癒のプロセスではほとんど機能せず、むしろ寄生虫感染やアレルギー反応で活躍する細胞です。
---
【各選択肢の解説】
1. 好酸球
❌ 誤り(正解)。創傷治癒への関与が最も少ない。好酸球は寄生虫感染やアレルギー反応で重要ですが、正常な創傷治癒過程では主要な役割を果たしません。
2. 好中球
✅ 正しい。創傷治癒の初期段階(0〜3日)で最初に浸潤し、細菌を貪食し、debris除去に貢献します。損傷組織の清掃が創傷治癒の必須前提です。
3. 血小板
✅ 正しい。止血と創傷治癒の両方に関与。血液凝固・フィブリン形成により一時的止血栓を形成し、同時に成長因子(PDGF・TGF-βなど)を放出して後続の修復を促進します。
4. マクロファージ
✅ 正しい。創傷治癒の中期(3日以降)に優位となり、好中球由来のdebrisを貪食し、強力な成長因子(TNF-α・VEGF・FGFなど)を産生して肉芽組織形成と再血管化を駆動します。
5. 線維芽細胞
✅ 正しい。創傷治癒の後期(5日以降)でコラーゲンを産生し、組織強度の回復を担当。マクロファージの成長因子刺激によって活性化・遊走します。
---
【試験対策ポイント】
創傷治癒の時系列と細胞の役割:
| 時期 | 主要細胞 | 機能 |
|---|---|---|
| 0〜3日 | 好中球 | 細菌貪食・debrisクリーニング |
| 3日〜2週間 | マクロファージ | 成長因子産生・肉芽組織形成 |
| 5日〜数週間 | 線維芽細胞 | コラーゲン産生・組織再構築 |
| 全期間 | 血小板 | 止血・成長因子放出 |
重要な否定知識:
- 好酸球は「寄生虫対策」「アレルギー反応」の細胞(創傷治癒には不要)
- 好中球は創傷治癒の初期清掃に必須だが、後期には役割を譲る
- マクロファージは創傷治癒における「最強の成長因子産生工場」