第22回 言語聴覚士国家試験 第115問
耳鼻咽喉科学第22回
外耳道閉鎖を伴う小耳症について正しいのはどれか。
a.発生頻度は約500人に一人である。
b.両側性は全症例の1割程度である。
c.肋軟骨移植による耳介形成術が行われる。
d.就学前に耳介形成術を行うのが一般的である。
e.多くの場合感音難聴を伴う。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
小耳症は先天性耳介奇形で、外耳道閉鎖を伴う場合が約50~70%です。b項は「両側性が全症例の1割程度」と正しく、c項は「肋軟骨移植による耳介形成術」が標準術式として行われるため正答です。小耳症の手術時期と聴力障害の特性、発生頻度をしっかり区別することが重要です。
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【各選択肢の解説】
a. 発生頻度は約500人に一人である。
❌ 誤り。小耳症の発生頻度は約1000~3000人に1人とされており、500人に1人は過度に高い推定です。
b. 両側性は全症例の1割程度である。
✅ 正しい。小耳症の約90%は一側性であり、両側性は約10%程度です。男児に多く、左側に若干多い傾向があります。
c. 肋軟骨移植による耳介形成術が行われる。
✅ 正しい。小耳症に対する耳介形成術の標準術式は肋軟骨フレームを作成して移植するもので、複数段階の手術で耳介を再建します。
d. 就学前に耳介形成術を行うのが一般的である。
❌ 誤り。耳介形成術は肋軟骨が十分に発育した小学校中~高学年(10~15歳頃)に行うのが一般的です。就学前は時期尚早です。
e. 多くの場合感音難聴を伴う。
❌ 誤り。小耳症で外耳道閉鎖がある場合、伝音難聴を伴う(外耳道がないため音が内耳に伝わらない)。感音難聴は内耳障害で、小耳症では多くの場合内耳は正常です。
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【試験対策ポイント】
小耳症の主要特性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生頻度 | 1000~3000人に1人 |
| 側性 | 一側性約90%、両側性約10% |
| 性別 | 男児に多い |
| 外耳道閉鎖 | 約50~70%に伴う |
| 伴う聴力障害 | **伝音難聴**(感音難聴ではない) |
| 内耳 | 正常なことが多い |
耳介形成術のタイミング
- 肋軟骨採取:十分な発育が必要
- 術施行時期:10~15歳(小学校中~高学年)
- 理由:肋軟骨が十分に成長し、患児が心身ともに手術に耐えられる年齢
- 術式:多段階手術(通常3~4回)
紛らわしい知識の整理
- 小耳症の聴力:外耳道閉鎖で**伝音難聴**。内耳は正常なため、骨導聴力は正常であることが多い
- 感音難聴:内耳(蝸牛)の障害。小耳症では一般的に伴わない
- 両側性の頻度:10%程度。ほとんどは一側性のため、患児は対側耳で日常生活に支障がないことが多い