STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第116問

臨床歯科医学/口腔外科学第22回
口腔組織・機能の加齢性変化で誤っているのはどれか。
  1. 1.顎関節平坦化の代償作用として筋突起が肥大する。 ✓
  2. 2.唾液分泌量が減少する。
  3. 3.咬耗によって歯冠長が短縮する。
  4. 4.歯肉が退縮し、根面が露出する。
  5. 5.顎骨が萎縮する。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 顎関節平坦化の代償作用として筋突起が肥大する。 加齢に伴う顎関節円板の変性によって顎関節が平坦化する現象は実際に起こりますが、これに対する代償作用として筋突起が肥大するというメカニズムは確認されていません。むしろ加齢では全体的な骨萎縮傾向を示すため、筋突起の肥大は加齢性変化として不適切です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 顎関節平坦化の代償作用として筋突起が肥大する。 ❌ 誤り。顎関節は加齢で平坦化しますが、これに対する代償として筋突起が肥大することはありません。むしろ加齢では骨全体が萎縮傾向を示します。筋突起の肥大は病的な咬筋肥大症などの特殊な条件で見られるもので、生理的な加齢変化ではありません。 2. 唾液分泌量が減少する。 ✅ 正しい。加齢に伴う唾液腺の萎縮と機能低下により、唾液分泌量は減少します。特に非刺激時(安静時)唾液の低下が顕著で、口腔乾燥症(ドライマウス)の原因となり、これは嚥下困難や齲蝕増加につながります。 3. 咬耗によって歯冠長が短縮する。 ✅ 正しい。加齢に伴う咀嚼機能の継続的な使用により、歯表面が磨耗(咬耗)します。これにより歯冠の高さが低くなり、歯冠長が短縮する典型的な加齢性変化です。 4. 歯肉が退縮し、根面が露出する。 ✅ 正しい。加齢に伴い歯周組織が萎縮し、歯肉が退縮(歯肉退縮)します。これにより歯根部が口腔内に露出し、根面う蝕(セメント質う蝕)のリスクが高まります。これは高齢者における重要な口腔変化です。 5. 顎骨が萎縮する。 ✅ 正しい。加齢に伴う骨代謝の変化により、顎骨(特に歯槽骨)の萎縮が進行します。特に歯喪失後は顎骨吸収が加速し、下顎の高さ低下や顔貌の変化につながる重要な加齢性変化です。 --- 【試験対策ポイント】 加齢性変化の判別:生理的変化か病的変化か | 変化の種類 | 加齢で起こる | 加齢では起こらない | |---|---|---| | 顎関節円板 | 変性・平坦化 | 筋突起肥大(代償作用) | | 唾液腺 | 萎縮→分泌低下 | - | | 歯質 | 咬耗による短縮 | - | | 歯周組織 | 歯肉退縮・根面露出 | - | | 骨 | 全体的萎縮 | - | キーワード: - 咬耗=加齢による機械的磨耗(正常変化) - 歯肉退縮=萎縮性変化(高齢者の根面う蝕の原因) - 顎骨萎縮=特に歯喪失後に加速 - 筋突起肥大=加齢では起こらない(病的変化が必要)
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