第22回 言語聴覚士国家試験 第119問
聴覚系第22回
正しいのはどれか。
- 1.聴覚において1,000Hz以下の周波数では時間間隔情報は伝えられない。
- 2.外有毛細胞とラセン神経節間の障害では語音聴力は低下しない。
- 3.蝸牛管内の振動は鼓室階から前庭階へと伝わる。
- 4.耳石器は強大な音響刺激に反応する。 ✓
- 5.前庭の有毛細胞は動毛がどの方向に動いても興奮する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 耳石器は強大な音響刺激に反応する。
耳石器(卵形囊・球形囊)は前庭器官の一部で、加速度・重力刺激に応答する器官です。強い音響刺激により固い耳石結晶が振動し、有毛細胞を刺激するため、聴覚的にも影響を受けます。特に低周波の強力な音(インフラサウンド)に反応する特性があります。
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【各選択肢の解説】
1. 聴覚において1,000Hz以下の周波数では時間間隔情報は伝えられない。
❌ 誤り。時間間隔情報(相互相関モデル)は周波数が低いほど時間分解能が優れており、1,000Hz以下の低周波こそが重要な時間情報を提供します。両耳比較聴覚(特に両耳時間差)は低周波で最も有効です。
2. 外有毛細胞とラセン神経節間の障害では語音聴力は低下しない。
❌ 誤り。外有毛細胞は「周波数選別」と「増幅機能」を担い、ラセン神経節は求心性線維を供給する重要な構造です。この部位の障害があれば、特に小声のような弱い音に対する感音難聴が生じ、語音聴力は低下します。
3. 蝸牛管内の振動は鼓室階から前庭階へと伝わる。
❌ 誤り。振動の伝わり方は「前庭階→蝸牛管→鼓室階」です。アブミ骨→卵円窓→前庭階という伝導経路により、前庭階の液体が振動し、蝸牛管を経由して鼓室階へ伝わります。この選択肢は因果関係が逆です。
4. 耳石器は強大な音響刺激に反応する。
✅ 正しい。耳石器(otolith organs:卵形囊・球形囊)は加速度・重力・振動刺激に応答する前庭器官ですが、強い音響振動(特に低周波・高強度音)によって耳石結晶が共振し、有毛細胞が刺激されます。これは前庭誘発筋電図(VHIT)や音響振動検査の原理でもあります。
5. 前庭の有毛細胞は動毛がどの方向に動いても興奮する。
❌ 誤り。前庭の有毛細胞は「方向選別性」を持ち、動毛が特定方向(キリアム側)に動く時のみ興奮し、反対方向では抑制されます。この方向選別特性により、頭位変化の方向が認識されます。
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【試験対策ポイント】
試験頻出の蝸牛構造とラセン器の機能:
| 構造 | 主要機能 | 神経支配 |
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| 外有毛細胞 | 周波数選別・増幅機能(能動的) | ラセン神経節の遠心性線維で調節 |
| 内有毛細胞 | 神経への信号変換(主要) | ラセン神経節からの求心性線維 |
| ラセン神経節 | 求心性・遠心性線維を供給 | 障害で全周波数の難聴リスク |
キーワード:
- 時間間隔情報:1,000Hz「以下」が最も重要(よく逆に覚える受験生が多い)
- 液体振動経路:「前庭階→蝸牛管(ラセン膜)→鼓室階」の一方向
- 耳石器の反応:加速度が本来の機能だが、強い音響刺激にも反応(聴覚定位の補助)
- 前庭有毛細胞:方