第22回 言語聴覚士国家試験 第14問
臨床神経学第22回
くも膜下出血について正しいのはどれか。
- 1.動静脈奇形によるものが最も多い。
- 2.髄膜刺激症状がみられる。 ✓
- 3.再発を繰り返す慢性頭痛である。
- 4.CTで低吸収域を示す。
- 5.片麻痺の頻度が高い。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 髄膜刺激症状がみられる。
くも膜下出血では血液がくも膜下腔に流出し、髄膜を刺激するため、項部硬直(首を前に曲げられない)・Kernig徴候(膝を伸ばすと痛み)などの髄膜刺激症状が特徴的に出現します。これは診断の重要な臨床徴候となります。
---
【各選択肢の解説】
1. 動静脈奇形によるものが最も多い。
❌ 誤り。くも膜下出血の原因の約80~90%は脳動脈瘤破裂です。動静脈奇形は原因の5~10%程度に過ぎません。
2. 髄膜刺激症状がみられる。
✅ 正しい。くも膜下腔内に血液が流出すると髄膜が直接刺激され、項部硬直・Kernig徴候・Brudzinski徴候などの髄膜刺激症状が出現します。診断的価値も高い重要な所見です。
3. 再発を繰り返す慢性頭痛である。
❌ 誤り。くも膜下出血は急性の脳血管障害であり、徐々に進行する慢性頭痛ではありません。突然発症の激しい頭痛(「バットで殴られたような」と表現される)が特徴です。
4. CTで低吸収域を示す。
❌ 誤り。急性期のくも膜下出血は血液が高吸収域(高いCT値)として映ります。低吸収域は脳梗塞など他の病態の特徴です。
5. 片麻痺の頻度が高い。
❌ 誤り。くも膜下出血そのものでは片麻痺は高頻度ではありません。ただし、脳血管攣縮による二次的な脳梗塞が発症すると片麻痺が生じる可能性があります。主症状は頭痛と髄膜刺激症状です。
---
【試験対策ポイント】
くも膜下出血の臨床特徴:
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 原因 | 脳動脈瘤破裂(80~90%)≫ 動静脈奇形 |
| 発症様式 | 突然発症の激烈な頭痛(thunderclap headache) |
| 主な症状 | 頭痛・髄膜刺激症状・項部硬直 |
| CT画像 | 高吸収域(血液は高CT値) |
| 重大合併症 | 脳血管攣縮による遅延性脳梗塞(3~7日後) |
頻出:「項部硬直がみられるか」は診断に直結する重要知識。くも膜下出血との区別が問われやすい疾患は脳梗塞(低吸収域)・脳出血(脳内に血液・より広範囲)です。