第22回 言語聴覚士国家試験 第159問
失語症第22回
図は標準失語症検査(SLTA)のプロフィール(C)のうち、「聴く」「話す」「復唱」を抜粋したものを示す。ここでは各検査項目の得点がz得点に変換されている。実線で結ばれた得点プロフィールを示した患者について想定される失語症タイプはどれか。【別図あり】
- 1.全失語
- 2.伝導失語
- 3.失名辞失語
- 4.超皮質性運動失語
- 5.超皮質性感覚失語 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 超皮質性感覚失語
SLTAプロフィールで「聴く低下・話す流暢・復唱良好」のパターンは超皮質性感覚失語を示す。この失語症タイプは意味理解が著しく障害されるが、言語音の反復能力は保持される特徴的なプロフィールを呈する。
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【各選択肢の解説】
1. 全失語
❌ 誤り。全失語は「聴く・話す・復唱すべて著しく低下」する。プロフィールで復唱が比較的良好に見える場合は全失語ではない。
2. 伝導失語
❌ 誤り。伝導失語は「話す良好・聴く良好・復唱が著しく低下」する独特のプロフィール。聴く能力が低下している本問ケースには該当しない。
3. 失名辞失語
❌ 誤り。失名辞失語(命名失語)は「聴く・話す・復唱のすべてが比較的良好」で、主に命名困難が問題。聴く能力の著しい低下を示さない。
4. 超皮質性運動失語
❌ 誤り。超皮質性運動失語は「聴く良好・話す低下・復唱良好」。本問では話す能力は比較的保持されているが聴く低下が顕著であり、このパターンではない。
5. 超皮質性感覚失語
✅ 正しい。「聴く著しく低下・話す流暢・復唱良好」は超皮質性感覚失語の典型的プロフィール。意味理解障害が主症状だが、オウム返し能力は保持される。
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【試験対策ポイント】
失語症3軸(流暢性・理解・復唱)でのタイプ判別表:
| タイプ | 話す流暢性 | 聴理解 | 復唱能力 | 鍵となる特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Broca失語 | 非流暢 | 良好 | 不良 | 努力的・ブロッキング |
| Wernicke失語 | 流暢 | 不良 | 不良 | 錯言・自分の誤りに気づかない |
| 伝導失語 | 流暢 | 良好 | **著しく不良** | 復唱が最悪 |
| 全失語 | 非流暢 | 不良 | 不良 | すべてが最悪 |
| 超皮質性運動失語 | 非流暢 | 良好 | 良好 | 復唱・理解は保持される |
| **超皮質性感覚失語** | **流暢** | **不良** | **良好** | 意味理解のみ低下 |
| 命名失語 | 流暢 | 良好 | 良好 | 命名のみ困難 |
重要:超皮質性感覚失語の診断ポイント
- 「聴く低下」が鍵:意味理解の障害
- 「話す流暢」:発話産出は保持
- 「復唱良好」:言語音の反復は可能(超皮質性運動失語との区別)
- Wernicke失語との違い:復唱能力の有無(Wernickeは復唱も不良)