STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第16問

形成外科学第22回
口唇裂に対する術式でないのはどれか。
  1. 1.ミラード(Millard)法
  2. 2.三角弁法
  3. 3.四角弁
  4. 4.プッシュバック(push back)法 ✓
  5. 5.マリケン(Mulliken)法

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — プッシュバック(push back)法 プッシュバック法は口蓋裂の代表的な術式であり、口唇裂の手術方法ではありません。口蓋裂では硬口蓋と軟口蓋の筋層を後方に移動させることで、鼻腔と口腔の分離を修復します。一方、口唇裂の術式は唇の欠損部分を直接縫合・形成する方法が用いられます。 --- 【各選択肢の解説】 1. ミラード(Millard)法 ✅ 正しい。口唇裂の代表的術式で、回転進展法(rotation-advancement method)とも呼ばれます。鼻中隔基部の短縮を利用して、唇を自然な形で修復する方法です。現在最も広く採用されている術式です。 2. 三角弁法 ✅ 正しい。口唇裂の古典的術式で、Z形成を組み合わせた方法です。鼻柱が短い場合に有効で、複雑な唇裂に対応できます。現在でも使用されることがあります。 3. 四角弁 ✅ 正しい。口唇裂の術式の一つで、四角形の皮弁を形成して欠損部を修復する方法です。特定の形態の口唇裂に対して選択されることがあります。 4. プッシュバック(push back)法 ❌ 誤り。これは口蓋裂の術式です。軟口蓋の筋層を後方に移動させることで、鼻咽腔閉鎖機能を改善します。口唇裂ではなく口蓋裂の治療に用いられるため、この問題の正答です。 5. マリケン(Mulliken)法 ✅ 正しい。口唇裂の術式で、筋解剖学的な知見に基づいて開発された方法です。粘膜下筋層の正確な再構成を強調し、長期的な形態と機能の維持を目指します。 --- 【試験対策ポイント】 口唇裂vs口蓋裂の主要術式の区別 | 疾患 | 主要術式 | 特徴 | |---|---|---| | 口唇裂 | ミラード法・三角弁法・四角弁・マリケン法 | 唇の欠損を直接修復 | | 口蓋裂 | プッシュバック法・V-Y後進法・二弁法 | 鼻腔と口腔の分離を修復 | キーワード - プッシュバック法:軟口蓋の筋層を「後方に移動」→口蓋裂専門術式 - ミラード法:回転進展法→現在最も一般的な口唇裂術式 - 口唇裂の手術時期:生後3ヶ月〜6ヶ月(「ルール・オブ・スリー」) - 口蓋裂の手術時期:1〜1.5歳(言語発達前に行う) 頻出誤り 口蓋裂の術式が選択肢に混在する問題が頻出です。「プッシュバック」「V-Y後進法」など、口蓋裂専門術式の名前を見たら即座に「これは口蓋裂」と判断することが重要です。
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