第22回 言語聴覚士国家試験 第165問
小児科学第22回
妊婦が感染すると児に知的障害のリスクが高い感染症はどれか。
- 1.インフルエンザ
- 2.梅 毒 ✓
- 3.マイコプラズマ
- 4.水 痘
- 5.流行性耳下腺炎
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 梅毒
梅毒は妊娠中の母体感染から胎盤を通じて垂直感染し、先天梅毒として児に重篤な後遺症をもたらします。特に知的障害を含む中枢神経障害は梅毒特有の重大なリスクであり、他の選択肢にはない高い罹患率が特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. インフルエンザ
❌ 誤り。妊婦が感染すると重症化リスクや流産リスクは高まりますが、児の知的障害の主要な原因としては認識されていません。先天感染による器質的障害も梅毒ほど典型的ではありません。
2. 梅毒
✅ 正しい。母体の梅毒が妊娠中に垂直感染すると先天梅毒となり、知的障害・難聴・眼疾患(角膜炎)・骨障害などの多臓器障害が生じます。特に第2期梅毒の妊婦から感染した場合、児の50~80%が感染します。
3. マイコプラズマ
❌ 誤り。主に呼吸器感染症を起こし、妊娠中の感染では流産や早産のリスクはありますが、先天感染による知的障害は稀です。一般的な周産期感染症として重視されていません。
4. 水痘
❌ 誤り。妊娠初期の水痘感染で先天水痘症候群(皮膚瘢痕・眼疾患・四肢低形成)が稀に見られますが、知的障害は主要な症候ではなく、発症率も1~2%と低率です。
5. 流行性耳下腺炎
❌ 誤り。妊娠中の感染で流産リスクは増加しますが、児の先天感染による知的障害リスクは他疾患に比べ著しく低く、臨床的に有意な障害につながりません。
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【試験対策ポイント】
先天感染症(TORCH感染症を中心に)による児への影響
| 感染症 | 垂直感染 | 知的障害 | その他の主要障害 |
|---|---|---|---|
| 梅毒 | あり(50~80%) | あり(主要) | 難聴・眼疾患・骨病変 |
| 風疹 | あり(妊娠初期) | あり(難聴と併発) | 白内障・心疾患・聴覚障害 |
| CMV | あり(15~20%) | あり | 難聴・視覚障害・小頭症 |
| トキソプラズマ | あり(妊娠後期) | あり | 網膜炎・水頭症・脳石灰化 |
| インフルエンザ | 稀 | 低い | 流産・早産リスク |
| 水痘 | 稀(1~2%) | 稀 | 皮膚瘢痕・眼疾患・四肢低形成 |
| マイコプラズマ | 低い | 低い | 流産・早産 |
| ムンプス | 低い | 低い | 流産リスク |
**梅毒が選ばれる理由:**
- TORCH感染症でない(独立した重大感染症)
- 母体検査(血清反応)で予防可能
- 妊娠中の治療(ペニシリン)で児への感染防止が可能
- 母体の治療遵守が最重要
**紛らわしいポイント:**
- 風疹も知的障害リスクが高いが、今回の選択肢では風疹がない
- 「知的障害のリスク」と「流産のリスク」を混同しないこと(梅毒は両者とも高い)