第22回 言語聴覚士国家試験 第166問
言語発達障害学第22回
注意欠如・多動性障害で誤っているのはどれか。
- 1.自己評価の高い人が多い。 ✓
- 2.交通事故のリスクが多い。
- 3.書類の記入漏れが多い。
- 4.忘れ物が多い。
- 5.気が散りやすい。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 自己評価の高い人が多い。
注意欠如・多動性障害(ADHD)の患者は、実際の行動と自分の能力の認識のズレから「自己評価が低い」傾向にあります。繰り返される失敗体験や周囲からの批判により、むしろ自己肯定感が低下していることが一般的です。選択肢1は診断基準や臨床的特徴と矛盾しています。
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【各選択肢の解説】
1. 自己評価の高い人が多い。
❌ 誤り。ADHDの患者は失敗経験の蓄積により自己評価が低い傾向が強いです。子ども時代から学習成績や社会的スキルの低下を指摘され続けることが多いため、むしろ自己肯定感の低下、抑うつ感、自信欠如を示すことが多いです。
2. 交通事故のリスクが多い。
✅ 正しい。ADHDでは注意散漫・衝動性・判断遅延などにより、運転中の危険認識が低下し、交通事故のリスクが大幅に増加します。特に青年~成人期のADHDは運転免許取得後の事故率が一般人口の2~3倍とされています。
3. 書類の記入漏れが多い。
✅ 正しい。注意機能の障害により細部への注意が不十分となり、書類作成時の記入漏れ・誤字脱字が顕著です。これは検査施行や症状評価の際にも明らかになります。
4. 忘れ物が多い。
✅ 正しい。ワーキングメモリおよび前頭葉機能の障害により、予定の忘却・物の置き忘れ・約束を忘れることが診断基準に含まれています。学校や職場での問題となりやすい症状です。
5. 気が散りやすい。
✅ 正しい。「注意欠如」はADHDの中核症状そのものであり、関連刺激以外への注意転導が増加し、不要な刺激への選択的注意が困難になります。これが学習や仕事の遂行を著しく阻害します。
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【試験対策ポイント】
ADHDの臨床的特徴(正誤判定の注意)
| 項目 | 正しい | 誤り |
|---|---|---|
| 自己評価 | 低い(失敗体験が多い) | **高い** ❌ |
| 交通事故リスク | 増加(2~3倍) | 変わらない |
| 書類記入 | 漏れ・誤字多い | 正確 |
| 忘れ物 | 頻繁 | ほぼない |
| 注意機能 | 散漫 | 集中力良好 |
注目ポイント:「自己評価が高い」はむしろADHDの反対像。ADHD患者は繰り返される挫折により、**過度に自己評価を低く見積もる**傾向が強い。選択肢1のような「楽観的」「自信満々」な印象は一部の外的行動(多動性の表出)と誤解されやすいが、内在的な自己評価は低い。