第22回 言語聴覚士国家試験 第170問
言語発達障害学第22回
自閉症スペクトラム障害の評価法として適切でないのはどれか。
- 1.CARS
- 2.サリー・アン課題
- 3.PEP-3
- 4.ストレンジストーリー
- 5.URAWSS ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — URAWSS
URAWSSは「話しことばの評価検査」で、構音障害などの音声言語表現の評価に特化した検査法です。自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断的評価を目的とした検査ではなく、言語表現能力を測定する点で、ASD評価法として適切ではありません。他の4つはいずれもASDの社会的相互作用障害やコミュニケーション特性、特に心の理論障害を評価する標準的な手法です。
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【各選択肢の解説】
1. CARS(小児自閉症評価スケール)
✅ 正しい。CARS は自閉症の行動特性(社会的相互作用、言語コミュニケーション、常同行動など)を評価する最古かつ最も実績のある標準的スクリーニング検査です。
2. サリー・アン課題
✅ 正しい。心の理論(他者の誤った信念を理解する能力)を評価する古典的課題で、ASDの社会認知障害の核心部分を測定します。ASD児は典型的に失敗または高年齢での獲得を示します。
3. PEP-3(就学前児童言語評価スケール)
✅ 正しい。自閉症児を含む発達障害児の認知・コミュニケーション能力を評価する包括的検査で、ASDの診断支援と援助方法立案に使用されます。
4. ストレンジストーリー
✅ 正しい。複数の登場人物が関わる物語を理解させ、登場人物の信念や意図の推論を評価する課題です。ASDの高次社会認知障害(心の理論の発展形)の評価に有用です。
5. URAWSS(話しことばの評価検査)
❌ 誤り。構音や音韻体系、語彙などの表現的言語能力を評価する検査であり、ASDの診断的特徴(社会的相互作用の質的障害・コミュニケーション意図の障害・心の理論障害)を評価するものではありません。
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【試験対策ポイント】
ASD評価法の分類
| 検査・課題 | 評価領域 | ASD診断への関連性 |
|---|---|---|
| CARS | 行動スクリーニング | 高(診断支援) |
| サリー・アン課題 | 心の理論(初期段階) | 高(社会認知障害) |
| PEP-3 | 認知・コミュニケーション | 高(総合評価) |
| ストレンジストーリー | 高次社会認知 | 高(推論能力) |
| URAWSS | 音韻・構音・語彙 | 低(一般言語能力) |
重要な否定知識
・URAWSS は「汎用的な言語発達検査」であり、ASD に特異的な診断ツールではない
・構音の問題を持つことは ASD 診断の必須特徴ではない
・ASD 診断には「社会コミュニケーション障害」と「限定的反復的行動」が必須基準であり、一般的な言語能力測定では診断を支援できない
頻出紛らわしい比較
・PEP-3 とURAWSS の混同を避ける:PEP-3 は自閉症児向けの適応行動・コミュニケーション検査、URAWSS は構音障害スクリーニング