STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第177問

器質性構音障害第22回
側音化構音の評価に有用でないのはどれか。
  1. 1.鼻息鏡による口腔からの呼気流出の観察
  2. 2.口腔顔面の観察
  3. 3.ブローイング検査 ✓
  4. 4.発話の聴覚的評価
  5. 5.エレクトロパラトグラフィ

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — ブローイング検査 ブローイング検査は側音化構音の評価に直結しません。側音化構音は「音声を産生する発話時の舌位置や動きの異常」が本質であるため、呼気流のコントロール能力を評価するブローイング検査では側音化の有無や程度を判定できないためです。側音化構音の評価には、舌と口蓋の接触状態、呼気流の漏出位置、および実際の音声産生過程を直接観察・測定する検査が必要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 鼻息鏡による口腔からの呼気流出の観察 ✅ 正しい。側音化構音では舌が口蓋に十分接触できず、その結果口腔側面から呼気が漏出します。鼻息鏡を鼻孔下に置くことで、口腔からの呼気流出を視覚化でき、側音化の診断や重症度評価に有用です。 2. 口腔顔面の観察 ✅ 正しい。側音化構音患者では、音声産生時に舌が偏位していたり、口角から空気が漏出する様子が観察できます。口腔構造の異常(舌の可動域制限、口蓋裂の残存など)も同時に確認でき、側音化の原因特定に有用です。 3. ブローイング検査 ❌ 誤り。ブローイング検査は「呼気流のコントロール能力」を評価する検査であり、側音化構音は「音声産生時の舌位置異常に起因する音韻的問題」です。呼気流能力が正常であっても側音化構音は生じるため、この検査では側音化の有無や程度を判定できません。 4. 発話の聴覚的評価 ✅ 正しい。側音化構音は「聴覚的に異常音が判定される」ことが定義です。音声サンプルを聴取して側音化音の有無、音韻的一貫性、重症度を評価する上で最も基本的かつ重要な方法です。 5. エレクトロパラトグラフ(EPG) ✅ 正しい。EPGは舌と口蓋の接触パターンを時間軸とともに記録できる客観的検査です。側音化構音では、舌中央部が口蓋に接触せず側方のみ接触する特異的なパターンが記録され、側音化の診断と重症度判定に非常に有用です。 --- 【試験対策ポイント】 側音化構音の評価検査 — 有用性の比較 | 検査名 | 側音化評価での有用性 | 理由 | |---|---|---| | 聴覚的評価 | ★★★ | 側音化音そのものの判定 | | EPG | ★★★ | 舌・口蓋接触の客観記録 | | 口腔顔面観察 | ★★ | 構造異常・偏位の確認 | | 鼻息鏡 | ★★ | 呼気漏出位置の確認 | | ブローイング検査 | ★ | 呼気流能力のみで側音化と無関 | 重要:側音化構音は「器質的異常や神経学的障害による舌運動障害」を原因とするため、評価は「舌と硬口蓋の接触状態」および「実際の音声」に焦点を当てるべき。呼気流能力だけでは判定不可。
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