第22回 言語聴覚士国家試験 第179問
機能性構音障害第22回
異常構音としての咽頭破裂音の特徴で正しいのはどれか。
- 1.舌根部と咽頭側壁で作られる。
- 2.奥舌が軟口蓋に向かって挙上する。
- 3.こもった音がカ行音、ガ行音に聞こえる。 ✓
- 4.音節を連続させると途切れて聞こえる。
- 5.イ列音に出現しやすい。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — こもった音がカ行音、ガ行音に聞こえる。
咽頭破裂音は、正常なカ行音やガ行音の代わりに出現する異常構音です。調音点が口腔から咽頭に後退しており、結果として「こもった」音響特性を持つ音が産生されます。これが聴覚的にはカ行音やガ行音に聞こえるという特徴的な知覚を示します。
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【各選択肢の解説】
1. 舌根部と咽頭側壁で作られる。
❌ 誤り。咽頭破裂音の調音点は「舌根部と咽頭後壁」です。咽頭側壁ではなく後壁が調音の相手となります。この解剖学的誤解は咽頭破裂音の理解を妨げやすい落とし穴です。
2. 奥舌が軟口蓋に向かって挙上する。
❌ 誤り。奥舌が軟口蓋に接近するのは正常なカ行音やガ行音です。咽頭破裂音では奥舌が「咽頭後壁に接近」して調音が行われます。調音点の後退が本質的な特徴です。
3. こもった音がカ行音、ガ行音に聞こえる。
✅ 正しい。咽頭破裂音は調音点が通常より咽頭奥に位置するため、音響的に共鳴腔が変化し「こもった」質感を持ちます。これが聴覚的には代用音として機能し、カ行音やガ行音に知覚されます。機能性構音障害における置換異常の典型例です。
4. 音節を連続させると途切れて聞こえる。
❌ 誤り。この説明は咽頭破裂音の特徴ではありません。「途切れて聞こえる」というのは、例えば吃音や音声の中断を連想させますが、咽頭破裂音は連続発話でも特に途切れるわけではなく、「こもった」質感が持続します。
5. イ列音に出現しやすい。
❌ 誤り。咽頭破裂音は主にカ行音やガ行音に代わって出現します。イ列音(キ・ギ)よりも、むしろア行音(カ・ガ)やウ行音(ク・グ)で出現しやすく、舌の挙上空間が限られるイ列では出現しにくいとされています。
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【試験対策ポイント】
異常構音の分類と調音点の変化
| 異常構音 | 調音点 | 音響特徴 | 代用音の聞こえ |
|---|---|---|---|
| 咽頭破裂音 | 舌根+咽頭後壁 | こもった | カ行・ガ行 |
| 口蓋化 | 前方に移動 | 柔らかい | シャ行的 |
| 側音化 | 舌側方 | 異なる共鳴 | ラ行的 |
| 唇音化 | 唇で代用 | 弱い | 不明瞭 |
キーワード:調音点の後退・共鳴腔の変化・聴覚的知覚
頻出誤認識:「舌根と咽頭側壁」と「軟口蓋挙上」は正常音の説明。咽頭破裂音では「咽頭後壁」「調音点後退」が本質。